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J3降格の富山。期待と結果のギャップ

2014/11/7 10:49

J2第39節は栃木に勝利も降格が決定。試合後、安間監督らがサポーターに謝罪



安間監督は今季限りで退任
 3試合を残して、富山のJ2最下位とJ3降格が確定した。09年にJ2へ参入してから、13位、18位、16位、19位、18位と下位が指定席だったとはいえ、最下位はまぬがれてきた。10年9月に就任した安間監督にチーム作りを託して戦力基盤が固まり、誰もが今季の飛躍を期待していただけに落胆は大きい。5日には安間監督の今季限りでの退任が発表され、5年がかりの挑戦が終わりを告げた。

 今季は白崎をはじめ昨季の主力がほぼ全員残留し、秋本ら実力者を補強した。1月末にはAFC・U-22選手権で活躍した中島の期限付き移籍での加入が決まり、クラブ史上最強の布陣が整ったと思われた。事実、13年度はリーグ14番目の2億7,300万円だったチーム人件費は、4年ぶりに経営黒字を達成したことで上積みされた。掲げた目標は10位。北陸新幹線の開通する翌年のJ1昇格争いを見据えてのモノだった。安間監督も、秋本を獲得した一番の理由としてJ1昇格プレーオフでのプレー経験を挙げていたように上位進出を本気で狙っていた。当初の期待と結果のギャップは大き過ぎる。思い描いたように戦力がかみ合わず、チームとして攻守が機能しなかったと言わざるを得ない。

中島は今季を語る上で象徴的存在
 安間監督は今季、中島の加入後に白崎、苔口との3人をフル活用するため[4-3-1-2]のフォーメーションを導入した。結果論だが、これがつまずきの始まりだったのかもしれない。準備期間が足りず、攻撃パターンをはじめ戦い方が定まらないまま開幕を迎え、初勝利まで10戦を要した。初戦からの9試合では6連敗を含む2分7敗、3得点20失点。内容の良い試合もあり、そこで結果が出て成功体験が積めていたら違った展開があったかもしれないが、甘くはなかったと言える。

 指揮官の持ち味である「実戦で成長を促し、信じて待つ」という姿勢も裏目に出た。選手は自信を失い、長所を発揮する以前に短所を露呈。決定機で得点が奪えず、ミスであっさりと失点する悪い流れが定着してしまった。第10節・松本戦(3○2)での初勝利後も立ち直るきっかけをつかめず、第15節で讃岐にJ初勝利を献上する(1●2)などクラブ記録の9連敗を喫して最下位に陥落した。今季を語る上で、中島は象徴的な存在と言えるかもしれない。個の力で対戦相手に脅威を与え、攻撃の切り札であったのは間違いない。しかし、チームとしても個人としても得点が伸びず、機能しなかった。監督は「クラブがこれまで欲しくても入手できなかった能力を持っている。若い選手に足りないところがあるのは当然だし、徐々に良くなっている」と成長を待ったが、彼は8月末にFC東京に呼び戻され、終盤はその姿を富山で見ることはできなかった。

 第16節・熊本戦(0●2)のあと、安間監督自身が危機感を募らせて進退伺いを出したが、クラブは今季2勝目を挙げた第20節の長崎戦(1○0)後に続投を決断。監督を信頼しての判断だったが、責任は逃れられない。フロント側の対応を検証して今後に生かす必要がある。第22節の直接対決を終えた時点で21位の讃岐とは勝ち点3差だったが、第30節には『12』差に。9月以降3勝3分4敗と持ち直したが、届かなかった。(赤壁 逸朗)

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