
アジア杯最後の実戦となる2試合でアギーレ監督が招集したメンバーは“実績重視”の顔ぶれとなった
今後のカギを握る、乾と豊田の働き
「この2試合は何かを試すよりも勝ちに行く試合。アジア杯のことを考えながらそうしたい」。ハビエル・アギーレ監督は14日のホンジュラス戦と18日の豪州戦をこう位置付けた。「日本とレベルの近いチーム」と指揮官が想定する2カ国、特にアジア杯で対戦する可能性のある豪州にホームで勝つことはチームの自信を高め、周囲の雑音を封じることにもつながる。
アギーレジャパン初招集となるのは東口順昭、内田篤人、今野泰幸、遠藤保仁、乾貴士、豊田陽平の6人。9月のメンバーからは松原健、その合宿で途中離脱した長谷部誠も復帰した。10月の選考でけがのため辞退となった昌子源も再選出されたが、代表経験のない選手はゼロ。チームの軸が定まっていない状況で、実績ある選手を頼りにした事情もあるだろう。確かにこれまでより勝負を意識した陣容となった。
SBでは左の長友佑都がコンディションの問題で外れ、右に内田篤人が入った。内田についてはブラジルW杯のコロンビア戦後に代表引退を示唆する発言が話題になったが、「ここ1カ月半はコンスタントにフル出場している」とアギーレ監督が語るように、9月、10月はけがの状態が考慮され招集を見送ったと考えられる。守備の安定はもちろん、ビルドアップの質を高める存在として期待されるところだ。
今野と遠藤は「経験豊富な選手たち。今季、(G大阪で)素晴らしいシーズンを過ごしている」と評価されており、柴崎岳や田口泰士といった選手にその経験を還元できる存在。また、ここから真剣勝負に向かって行く中では長谷部のリーダーシップも期待される。攻撃陣では柿谷曜一朗、田中順也がクラブでの出場機会を失っている状況下で、乾は順当な選出であると言える。左ウイングで武藤嘉紀とポジションを争う構図だが、ジョーカーの資質もチェックされるかもしれない。豊田については、「パワフルで空中戦に強い。岡崎とは違った特長がある。代表の攻撃がより豊富になる」と説明した。サイド攻撃が主体となる中で、前線でのポストワークとヘディングで力を発揮する選手が必要と考えているのだろう。「(アジア杯に向けたメンバーは)80、90%は決まっている」とアギーレ監督は言うが、乾と豊田のパフォーマンスが攻撃陣の陣容を左右することは間違いない。(河治 良幸)