富山はJ3降格決定による精神面の低下は見られず、5バック気味に構えて守備で耐え、攻撃では快速2トップが裏を狙う戦い方を徹底してきた。
一方、J1昇格プレーオフ進出には勝つしかない京都は序盤から攻め続ける。右サイドから石櫃が鋭いクロスを、左サイドからは3カ月ぶりに先発した伊藤がドリブルをしかけるが、前半の工藤の3本のシュートはGK飯田の好守に阻まれ、後半開始直後の大黒のシュートもDFとポストに当たってしまう。
1点が遠い展開に、川勝監督は選手交代と攻撃的な[3-4-3]への布陣変更で勝負に出る。83分、駒井と山瀬のコンビで右サイドを崩して先制点を奪うところまでは、良い戦いができていたと言えるだろう。
だが、試合を締めることに失敗した。88分、FKから元・京都の秋本のヘッドにより、奈落の底に突き落とされる。先制後、京都は元の[4-2-3-1]へ戻したが、FKの与え方と守り方がまずく、「今季を象徴するような引き分け」(川勝監督)で勝ち切れなかった。
主審のホイッスルが鳴り響くと、スタジアムは静寂に包まれた。そこには罵声もため息もなく、数秒前まで存在した熱気が嘘のような静けさが、京都のJ1昇格がほぼ絶望的となった事実を突き付けていた。(雨堤 俊祐)