安定感あるプレーの数々。迫力のサッカーで大量点
大量得点での完勝に水を差すわけではない。ただ、この日の好内容はある意味、当然だった。
毎試合、目まぐるしく起用する選手を代えてきたハビエル・アギーレ監督が、ここへ来て選んだメンバー。それはザックジャパンに選出されてきた面々だった。武藤嘉紀以外の先発を全員、ブラジルW杯に出場した選手たちで固めた。システムは自らが貫く[4-3-3]と前体制とは違うものの、選手間にぎこちなさは皆無。DFからFWまで、スムーズにボールは流れていった。
遠藤保仁のチーム全体にリズムを作る働き、香川真司が中央からサイドと幅広い動きの中で見せたテクニカルなプレー。常に前を向いた状態でボールをさばける長谷部誠の安定感に、右サイドで鋭い読みを連発した内田篤人。見ていて安心感のあるプレーの数々。過去の4試合とは比べ物にならない試合運びだっただけに、メキシコ人監督はこのメンバーを来年1月のアジア杯のベースにすることは濃厚だろう。
相手のホンジュラスは守備陣にはブラジルW杯組をそろえたものの、前線は若手主体。そのため、チームとしてはチグハグさが目立った。ただ、先月戦ったジャマイカよりはレベルが高かったと言える。それだけに、吉田麻也が「彼らはW杯に出ていて、自分たちとも大差のない実力を持つ。その相手にきっちり勝てたことは評価していい」と話すように、日本の良いところが存分に出た試合だったことは間違いない。球際の激しさ、ザックジャパン時代よりもピッチをワイドに使った攻撃。チームは迫力あるサッカーを展開した。
それでも、この試合の選手たちは上積みのないメンバーであることも事実だ。指揮官は「平均年齢は26歳」と言ったが、それはベンチに座った若手も含めた数字。経験豊富な彼らがこのくらいのプレーができることは周知の事実である。そして、残念ながら世界では勝てなかったことも。アギーレ監督は、アジアを勝ち抜くことだけを考えれば、これで十分と考えているかもしれない。現実主義者としては正解の判断だろう。しかし先を見据えると、不安がないとは言えない。(西川 結城)