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中村直志、現役引退へ。世代交代の中で道を譲る

2014/11/19 14:50



若手に残すメッセージ。残り3試合もやることは変わらない

 17日、引退会見。スーツに身を包んだ中村は深々と頭を下げ、スッキリとした表情で口を開いた。引退の経緯については「意識したのはかなり前のこと」と語った。自分の去り際を自問自答していた中で、世代交代が図られた今季。「僕がどのように若い選手に姿勢を見せられるか。その中で今年1年を頑張ろうと考えていた」。悩まされたけがの影響は、理由にはなかった。クラブ側は誰より早く慰留オファーを出したが、シーズンが佳境を迎えるにつれ、意思は固まっていった。「僕はここで一区切りを付けて、クラブには若返りを図ってもらいたいなという思いが強かった」。若手が経験を積み、自分の中でやり切った思いがあった。

 これまで関わったすべての人に強い影響を受けたという。ヴァスティッチやパナディッチ…。いつ何時も謙虚に練習に取り組んでいた彼らを例に挙げ、「それを見て一番成長できた部分」と振り返った。「ファイトすること。球際に必ず勝ちにいく、取られたら取り返す。そういうモノが大事だと思うし、常に謙虚でいてほしい。試合に出る、出ないではなく、謙虚に監督の指示を受け止めてプレーをしてほしいと思う」。世代交代の成功を望んでスパイクを脱ぐ中村は、若いころの自分が先輩から受けたように、若手に伝えたいメッセージを送った。

 今後は、クラブ運営に携わる仕事を希望しているという。指導者への道を打診した久米一正GMも「あっさり断られた」と笑いながら、「チームを動かす部署でサッカーを知っている人材はどのクラブにもあまりいない。将来的にGMや社長を目指すのもいいですね」と歓迎。極めて珍しい事例だが、努力を続け、名古屋一筋を貫いてきた中村らしい決断でもあった。

 プロ14年。加入当初は「1年でどうなるんだろうというくらい」だったが、謙虚に、ひたむきに戦い抜いてきた結果だ。残りの3試合も、やることは変わらない。「いつもと同じプレーを見せ、100%でやること」。これまでどおり全力を注ぎ、そしてスパイクを脱ぐ。(村本 裕太)

中村 直志(なかむら・なおし)
1979年1月27日生まれ、35歳。176cm/72kg。千葉県出身。市立船橋高→日本大を経て01年に名古屋加入。J1通算341試合出場30得点。

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