激しい打ち合い。終盤に二つのゴラッソ
奇跡の逆転残留へ─。勝利のみが求められたC大阪だが、3分、17分と連続して失点。ベガルタゴールドに染まったスタジアムに地鳴りのような歓声が響き渡る中、今季の桜の命運も尽きたかに思われた。
ところが、以降は“2-0は危険なスコア”というサッカー界の格言どおりに試合は推移。38分、楠神が左サイドで切れ味鋭い突破から中へクロス。GK関がはじいたボールに杉本が詰めて、C大阪が1点差で前半を折り返すと、後半は完全にアウェイチームが主導権を握った。つなぎもままならずパスミスを繰り返す仙台に対し、C大阪はダブルボランチが高い位置でボールをさばき、杉本、楠神の両サイドを起点に攻める。守備でも前から積極的にボールを奪い、二次攻撃につなげた。「攻守においてアグレッシブに」という大熊監督が試合前に描いていた展開をピッチで表現したC大阪が相手を押し込むと、72分、杉本のクロスに永井がヘッド。これが仙台DFに当たってゴールに吸い込まれた(記録上は永井の得点)。
勢いそのままに逆転まで持ち込みたいC大阪。ベンチには“一発”があるカカウが控えていた。前日の練習でも、攻撃陣のシュート練習で思うように枠を捉え切れないほかの選手を尻目に、カカウは2本打って2本とも豪快にネットに突き刺した。現在のチームで最も“得点の匂い”を漂わせる男がピッチに入ったのは、後半も残り10分となったときだった。
前後半で激しく打ち合ったこの試合、ドラマは終盤にも用意されていた。後半はカウンターから数度のチャンスしか作れていなかった仙台だが、88分、途中出場のハモン・ロペスが目の覚めるようなミドルを突き刺し、スタジアムに歓喜をもたらす。ところが、その5分後。目安の4分間のロスタイムも半分が経過しようとした時間帯に、カカウが角度のない位置からゴラッソを叩き込んだ。結局、試合は3-3の痛み分け。両チームともに勝ち切れなかった試合であったとも言えるが、2度のビハインドをはね返したC大阪は、首の皮一枚でJ1残留の望みをつなげた。(小田 尚史)