アクシデントにも集中を切らさず。J2での5年間で最高の順位
千葉にとっては、さまざまな逆境を乗り越えるテストのような試合になった。
立ち上がりこそ左サイドを起点に攻める姿勢を見せていたが、讃岐の素早く粘り強いプレッシャーの前に少しずつリズムを失っていく。自分たちのリズムで試合を進められない展開はこれまでも課題となっていたが、サイドからのシンプルなクロスを交えることで相手を横に広げるトライも見せるなど、対応力の向上も見られた。
そんな状態で迎えた28分にアクシデントが発生する。讃岐・藤井航との接触で森本が意識を失い、救急車で搬送される事態となったのだ。選手たちの精神的なショックは小さくなかったはずだが、この後も千葉はタフに戦った。「森本のアクシデントもあって集中力が続かない状況もあったと思うが、選手たちは最後までよく集中力を切らさずに戦ってくれた」(関塚監督)。崩れるどころか、代わりに投入されたケンペスが決勝点を挙げてみせた。
最後の試練は終盤に讃岐が繰り出したパワープレーだ。「讃岐のほうも運動量が多くてプレッシャーも速くて、最後なんかは勇気を持ってどんどん攻めてきた」(高木)。勢いを持って攻め込む相手を押し返すだけの老獪さは見せられなかったが、闘志むき出しの泥臭い守備で完封を達成。右サイドを締めた山口慶は「最後は守り切ることが前提だったので、それをちゃんとやれて良かった」と笑顔を見せた。
他会場で磐田が札幌と引き分けたため、千葉は3位に滑り込み、J1昇格プレーオフ決勝へのストレートインを確定させた。J2での5年間で最高の順位を得るとともに、日程面、戦略面でも他チームより優位に立つ価値ある1勝となった。(片村 光博)