スタジアムが藤色でなく、ゼルビアブルーに染まった。藤枝総合公園サッカー場を埋めた2,615人のうち、逆転昇格を信じて駆け付けたアウェイサポーターたちが、ざっと3分の2を占めていた。
町田が“実質ホーム”の声援を背に、序盤から藤枝を攻め立てる。28分にはMF遠藤のミドルがバーを叩き、37分、45分とFW鈴木孝が際どいシュートを放った。「押しながらも点を取れない試合展開」(相馬監督)で迎えた68分、MF鈴木崇のFKが藤枝・大石の右足に当たってコースを変え、これが決まって町田が先制。終盤はセットプレーからのピンチもあったが、シュート20本と圧倒して勝ち点3を得た。
今季の町田は攻守に“ガンガン行く”サッカーでJ3を席巻した。第5節から第24節まで首位に立ち総得点、得失点差はともに12チームの中でも最多だ。しかし夏場の失速で金沢、長野に後れを取り、最後は4連勝と盛り返したものの優勝、入れ替え戦の2位には届かなかった。
一方でそのスタイルはサポーターを魅了し、納得させるモノだった。前節・福島戦では現メンバー、相馬監督の残留を願う横断幕がゴール裏に出された。昇格の望みが絶たれた藤枝戦後も、J2降格を喫した一昨季や、早々にJ2昇格の望みを絶たれた昨季とは違うポジティブな雰囲気で、ゴール裏と選手による“勝利のラインダンス”が繰り広げられた。
主将のリ・ハンジェは「自分たちはチャレンジャーとしてJ2に上がるんだという気持ちでやってきたが、どこかでチャレンジできなかった」と“チャレンジの不足”を口にする。ただ自らがアクションを起こし、全力を出し切ったからこそ、得られた教訓もある。若い選手たちはちょっとした躊躇、ズレの怖さを体感したはずだ。
最後に再び自分たちのサッカーを取り戻して長野に迫った軌跡は、クラブと選手たちにとって、今後への糧となるだろう。(大島 和人)
J3第33節
2014.11.23(日)13:03
藤枝 0−1 町田
【得点】
0-1 68’鈴木崇(町田)