6戦勝ちなしでリーグ戦を終えた磐田。J1昇格プレーオフ準決勝ではホームで山形と対戦する。松井は「この結果をポジティブに捉えていきたい」としながらも表情はかなり厳しく、危機感を漂わせた。リーグ終盤の6試合中5試合がドロー。“勝ち切る”ための何かが足りない。それは何か。一つは「大胆さ」だと伊野波は言う。「もう少し大胆にクロスを上げたり、流れの中からシュートを打つことも必要だと思う」(同選手)。前半からチャンスはあり、4度の決定機を得た前田が一つでも決めていれば、違った展開になっただろう。しかし、30分以降はトーンダウン。札幌のブロックに手を焼いた。
とりわけ『大胆さ』を欠いたのはカウンター時。ボールを奪った瞬間にボール保持者を追い越す選手が少ない。そのため横パス・バックパスを出さざるを得ず、札幌に帰陣させる時間を与えた。前線で単独でドリブルをしかけた松井が両手を振り、『もっと前に来い!』といら立つ場面もあった。
プレーオフは一発勝負であり、慎重にならざるを得ない。当然リスク管理も必要だが、どこかで“チャレンジ”しなければならない。この試合、同点ゴールは高さのあるフェルジナンドを絡めたパワープレーから生まれた。これはあくまでオプションであり、時間限定のプランである。だが、終盤に見せたテンションの高さ、アグレッシブな姿勢は前半からもっと出せるのではないか。