名波監督は「準決勝のキーマンは後ろ」と言い切る。プレーオフの規定上、ドローでも勝ち上がることができる磐田。「守備的に戦っても何の価値もない」と言い続けてきた指揮官が試合開始から極端な“ドロー狙い”をすることは考えにくいが、このアドバンテージを生かさない手はない。
第41節の前回対戦(0●2)では山形にシュートを4本しか打たれていない中、その半分を得点に結び付けられた。指揮官は「選手たちも守備がおろそかだったと感じていると思う。それをぶつけてくれれば」と期待する。
その前回対戦の失点はいずれもクロスから。試合後、八田、伊野波の間でコミュニケーションを取り、“どちらがどこまで守るか”というプレーエリアをあらためてすり合わせた。また、伊野波にとっては相方・森下を欠くことになるが、藤田とも昨季から最終ラインを組んだ経験があり、連係面に不安はないだろう。
一方、攻撃面ではホームの利を生かし、積極的にしかける姿勢を忘れてはならないが、多くのゴールは期待できない。前節・札幌戦(1△1)では17本ものシュートを打っているが、山形の守備は札幌以上に強固。札幌と異なり、前線からプレッシャーを掛けてくる山形は磐田の苦手とするタイプである。また、札幌戦でことごとく決定機を逃したエース・前田の調子も良いとは言えない。
こうしたチームの現状を踏まえても、ファイナル進出へのカギはやはり守備面にあると言える。(南間 健治)