■ガンバ大阪
G大阪は残り2試合に勝ち、“奇跡”を起こす
「三冠に向けて今週の2試合が大事になる」(長谷川監督)。26日の天皇杯準決勝・清水戦(5○2)では過密日程にも関わらず文字どおりのベストメンバーを送り出し、若手主体の清水に勝ち切った。リーグ戦では前節・浦和戦(2○0)で劇的な勝利を収め、浦和との勝ち点差は『2』に肉薄したが、依然大阪の雄は薄氷を踏む戦いを強いられる。「浦和が勝って、こちらが負ければ終わり」と長谷川監督も認めるように浦和の優位に変わりはない。
ただ、すでにナビスコカップを手にし、優勝の味を知った選手たちは明鏡止水の精神状態に達しつつある。「僕らは残る2試合を勝たないと優勝の目はほぼない」(遠藤)。指揮官と選手たちはこれまでと同様に目先の一戦に集中して勝ち点3の奪取に邁進するだけだ。「勝ち続けているとメンタル的には大きい」と背番号7は中2日で挑むホーム最終節に過度の不安を見せていないが、長谷川監督は連戦からの回復をこの試合のポイントに掲げる。
「神戸は切り替えを素早くして攻めて来るし、中2日のタイトな日程でミスなくやれるか」と清水戦の2失点を招いた攻撃時のミスを懸念する指揮官だが、低調な入りは致命傷となりかねない。天皇杯の2得点で精神的に上向いた状況にあるエース・宇佐美とパトリックは7月の神戸との前回対戦でもそれぞれ2得点。神戸のプレスの網を避けるべく、シンプルにパトリックの推進力を生かすのは有効な戦術になるはずだ。浦和戦と天皇杯準決勝では途中出場の佐藤とリンスが二人のコンビから得点を生み出しており、攻め切るカードが手のうちにそろいつつあることもG大阪にとっては好材料だ。
今季公式戦では3勝1分で負けがない神戸をホーム最終戦で迎え撃つG大阪。「残り二つ勝ち切る以外にやることはない」(長谷川監督)と目標設定は至ってシンプルだ。(下薗 昌記)
■ヴィッセル神戸
今季は苦杯をなめ続けてきたG大阪戦
今節対戦するG大阪には今季、4戦して1分3敗と勝ち星がない。J1第17節では1-5で大敗し、ナビスコカップ準々決勝では、ベスト4入りを阻まれた。同じ関西のクラブ、ともに今季J2から昇格してきたチーム相手に悔しい思いを重ねた。さらに、G大阪はタイトル争いの真っ最中にある。それだけに、「試合に勝ちたい。ライバルチームに優勝させるわけにはいかない。正々堂々と勝負して勝ちたいと思う」。小川は強い言葉で意気込みを語った。
今季、パスサッカーを追求してきた神戸だが、前節・横浜FM戦(1●2)ではボールを保持される苦しい試合になった。課題として上がったのが、セカンドボールを拾うことや球際に厳しく行くこと。ボールを持つためのボールの回収作業だ。今節はG大阪の足元の質の高さを踏まえれば、守備機会が多くなることも想定される。その際、ボールの出し手に厳しくプレッシャーを掛けることも大切だが、同時に「プレッシャーを掛けても、ガンバはつなげないなら簡単に裏にボールを蹴ってくる。後ろの1対1の厳しさも必要になる」と河本が指摘するように、ボールの奪いどころを外されても、第2、第3の狙いどころをチームとして共有しておきたいところ。それは、「(今季のG大阪戦は)試合の入りでやられることが多かった」(河本)点の是正にもつながる。
26日の紅白戦では、ナビスコカップ準々決勝でも採用された田代とマルキーニョスの2トップを試した。通常の[4-2-3-1]とどちらを選択するにせよ、粘り強く取り組んできた攻撃の形をピッチで体現したい。
今季、神戸が掲げたハイプレスとポゼッションはすべて、運動量が支えてきた。小川は「みんなが気持ちを出して『自分がやってやる』と思えばチームとして戦える」と説く。“神戸らしさ”を土台に、積み上げたサッカーでG大阪を撃破する。(小野 慶太)