■サガン鳥栖
負けたら終わり。鳥栖はまだ優勝をあきらめていない
3年連続でホーム最終戦に浦和を迎える鳥栖。今回は互いに優勝の可能性を残す「ビッグマッチ」(安田)となる。鳥栖にとっては勝てば無条件で最終節に優勝の望みをつなぐことができるだけに今季最高のモチベーションで臨めるだろう。さらにチケットも完売し、これ以上ない舞台が整っている。
浦和にとってベアスタは“鬼門”というイメージがあるだろうが、鳥栖にとっては過去2年、浦和を撃破しているだけに当然、「良い状態のメンタルで臨める」(池田)。精神的な優位を生かすためにも序盤から「鳥栖らしくしっかりタイトに守備にいって激しい展開に持っていきたい」(池田)。
今季は先制した試合では18勝1分2敗、浦和も16勝3分3敗と互いに先制すれば高い勝率を誇るだけに序盤、どちらが試合の主導権を握るのかは見どころだ。鳥栖としては激しい守備で浦和のリズムを奪いながら先制点をモノにしたい。
また前節の徳島戦で右肩を負傷した菊地だが、26日の時点では別メニュー調整。状態を問われた吉田監督は「神様しか知らないこと」と出場可否を煙に巻いたが、菊地自身は「ギリギリまで状態を見たいし、大事な試合だから出たい」と出場に意欲を見せた。サッカーをする上でそこまでプレーに支障が出る箇所ではないだけにディフェンスリーダーが強行出場する可能性は高そうだ。
追われる側と追う側。吉田監督は「僕らも負けたら終わりだし、そこの気持ちは向こうと一緒だと思う」と話す。しかし、首位を守る側とそれを奪いに行く側という立場の違いは少なからずある。G大阪のためにでもなく、浦和の引き立て役になるためにでもなく、あくまでも自分たちが優勝するために鳥栖は戦う。赤の歓喜ではなく、ベアスタに響かせなければならないのは3年連続の水色の歓喜しかない。奇跡の逆転優勝に向け鳥栖はこの一戦に全力を尽くす。(杉山 文宣)
■浦和レッズ
自分たちらしいサッカーをすればどうなるのか。いまの順位が示している
その様子を一言で表現するならば、まさに“気合い”だった。勝てば優勝を決められた埼スタでの前節・G大阪戦を落とし、試合後に落ち込む様子を見せ、「まだ切り替えられない」と口にする選手も多かった。しかしG大阪戦後、オフとオフ明けのフィジカルトレーニングを経て、初めて行われた26日の紅白戦は、控え組も含めて時に公式戦かと思うほどに球際が激しく、そこかしこから大声が響いた。
「切り替えろ!」、「ボールに行け!」、「(倒れた選手に)立て!」。その大声を出したうちの一人である槙野は、次のように話した。「みんなの表情もそうだし、今日の練習を見てもそうだけど、鳥栖戦に懸ける思いはG大阪戦同様だし、切り替えているなと感じた」。まだ何も決まっていなければ、何も終わっていない。それを一番理解しているのは、選手だった。
当然、敗戦を受けて修正しなければならないことはある。ペトロヴィッチ監督は26日の紅白戦で前線に縦パスを入れることを強く求めた。青木が右サイドに展開してチャンスになったシーンでもゲームを止め、「相手が一番イヤがるのは縦に入れられることだ」と縦パスを要求した。前線への縦パスはミシャサッカーの生命線であるが、「前節、前へのクオリティーの高い縦パスや、後ろからの質の高い攻撃参加があまり見られなかった」(槙野)。また、やはり鳥栖のロングボールは警戒ポイントであり、「そのこぼれ球をいかに拾うか」(李)も極めて重要だ。
前節で優勝を争うG大阪に敗れ、今節は“鬼門”ベアスタでの一戦を迎える。ここで勝利するためには精神面が重要になることは間違いないだろう。前節の敗戦、ベアスタでの今までの悪いイメージを払しょくし、強い気持ちで戦うことができるか。強い気持ちで戦えれば、自分たちらしい戦いができるはずだ。そして自分たちらしい戦いができればどうなるか。それはいまの順位が示している。(菊地 正典)