■ベガルタ仙台
前節の反省を生かし、勝利をつかむ
これが仙台にとって今季ホーム最終戦だ。さまざまな想いが交錯するが、目的は一つ。勝ち点3である。
渡邉監督はここまで選手に対しては「残留争い」という言葉を使わずに指導を続けてきたが、この一戦を前にした練習で「J1残留のために勝ち点3を取るぞ」と“残留”という言葉を明確に打ち出して選手に呼びかけた。
前節・C大阪戦(3△3)で、多くのサポーターの後押しを受けながら引き分けに終わった反省もある。ピッチ内外で騒がしくなることもあり得る終盤戦で、「ベガルタ仙台の一員として、現在為すべきこと、つまり勝つという目標をはっきりさせる」(渡邉監督)という目的もある。そして20年間クラブに関わってきた丹治祥庸強化部長の今季限りの退任を受け、「長らくクラブに貢献してきた方の労に報いるためにも、われわれは来年以降もクラブがJ1で戦えるように結果を出さなければ」と指揮官は勝ち点3とその先にあるJ1残留の意味をチームにあらためて伝えた。
相手の徳島はここ数試合、メンバーが入れ替わりながらも守備に人数を割く戦い方を続けている。そのため、仙台は守備からリズムを作る基本方針ながら攻め込む時間帯が長くなることも推測できる。その中でも、追い付かれて引き分けた前節の反省も含め、攻めているときのリスク管理、そしてリードしたときの戦い方の意思統一を忘れないことが今節のポイントとなる。「相手のカウンターには注意しながら、前でボールを動かし続けたい」と武藤。確実に相手の堅陣を突き破り、勝ち点3をつかみたい。(板垣 晴朗)
■徳島ヴォルティス
成長を勝利という成功体験につなげられるか
前節・鳥栖戦で0-1で敗れたが、開幕戦で鳥栖に0-5で大敗を喫したころと比べると大きな進歩があったと言える。小林監督も「前後半ともにうまく戦えていたと思う」、「組織で戦うという大事なことを意識して、それをピッチで表現してくれたと思う」とチームの成長に手ごたえを得ていた。選手たちも「相手に決定的な場面を作られたということはなかった」(橋内)、「少なからず前半は良い形でシュートまで行けた場面が増えていた」(斉藤)、「全体を通して空中戦は負けてないし、結構やれたという印象はある」(キム・ジョンミン)と残されたJ1での試合で一つでも多くのモノを得ようという姿勢が伝わってくる。
しかし、要所では成長を見せる徳島だが、勝利という“成功体験”までたどり着いていないのが実情だ。勝利だけが成長を証明するモノではないが、第21節・新潟戦(2○1)以降は11試合勝利から遠ざかっている。さらにこのまま勝ち点を積み上がられず勝ち点13のままJ2に降格することになれば現行制度になってからワーストの勝ち点となる(※J1の勝ち点ワースト記録は12年の札幌と13年の大分の勝ち点14)。終盤に入ってから優勝、ACL、J1残留とモチベーションの高い相手との対戦が続くが、徳島も来季へつなげるために一つでも多くの成功体験を手にしようと懸命に戦っている。
5月の前回対戦では0-1と敗れているが、そのときから戦術も選手層も大きく進化している。最終節でのホーム初勝利につなげるためにも、何とか敵地から勝ち点3を持ち帰りたい。(柏原 敏)