■名古屋グランパス
ラストダンスはオールドグランパスとともに
決して温情起用などではない。これまで起用する素振りを見せなかった指揮官が、胸を張って背番号11を送り出そうとしている。「練習試合を見ても状態がすごく良くなっているなと思うし、ファイトしている良いときの玉田がいる」。26日、気概に満ちたキレキレのエースの姿が、そこにはあった。
ホーム最終戦。残留争いの渦中にある大宮が「悲壮感を持って必死に来る」(西野監督)ことは間違いないが、名古屋にも負けられない理由がいくつもある。今季限りでの退団が決まったケネディとスパイクを脱ぐ中村に続き、25日には玉田の契約満了が発表された。華々しい歴史を作ってきた“オールドグランパス”にとっては最後の豊田スタジアム。リーグ戦では今季一度も勝てていないピッチで歓喜を届けようと、彼らに花を添えようと、チームがこの使命感の下で団結していることもまた、間違いない。
玉田がいるからと、指揮官は「中盤の構成力は間違いなく上がる」と強気の言葉を用いた。先発するから、中盤でゲームを作り「フィニッシュにも絡む。それに尽きる」と玉田も同じ画を描く。名古屋の9年間で何度も見せてきた、得意な形。「最後に『俺はこういうプレーヤーだ』ってところを見せたい」。(村本 裕太)
■大宮アルディージャ
「特別な週」(渋谷監督)。敗戦の教訓を成果に変える
「今週は、特別な週という位置付けになる」。渋谷監督は、今節に向けた1週間をそう表現した。残り2節、残留圏との勝ち点差は『3』。残留争いを繰り広げるチームに、もはや他チームの勝敗を気にしている余裕はない。指揮官は「名古屋戦の目標はまず、最終節まで残留争いをすること。ほかのチームの結果を気にしないためには勝つしかない」と言葉に力を込める。
では、その勝利を手に入れるために必要なのは何なのか。勝ち点の伸び悩むここ数試合に共通するのは、前半にはソリッドな組織を構築して優位に戦いを進めながら、後半になるとそのリズムを維持できなくなっているということだ。渋谷監督は「後半、(相手に)プレッシャーが掛からないときなどで、どう戦うか」を課題に挙げる。入念な事前準備によって試合への入り方は安定しているだけに、展開に合わせた試合運びを改善することが最優先だ。
前節・柏戦(1●2)では、後半にアグレッシブさを強めるために与えられた「前へ」(渋谷監督)という言葉が裏目に出て、自ら崩れた。敗戦の中で得た教訓をチーム全体で共有し、生かさなければならない。幸いにもその機会はまだ残されている。その成否に、残留への希望を残せるかが懸かる。(片村 光博)