甲府優勢の要因に、契約非更新選手の奮闘アリ
ピッチ外の動揺が悩ましい季節だ。来季の契約交渉が動き始め、戦力外の選手にはそれが伝えられる。甲府は加えて、城福監督の退任が決まるという大きな節目があった。しかし甲府を見る限り、クラブを去る人間の士気が落ちた様子はない。
FC東京戦で4カ月ぶりに先発起用されたのが、契約の非更新が発表されている水野だった。ジウシーニョ、松橋の負傷もあり、「やり続けている選手にチャンスを与えろと、神様が言っているなと思った」と城福監督は言う。そして水野は気持ちの入ったプレーを見せた。21分のミドルは「軽くガッツポーズの準備をしていた」(水野)ほどの決定機。これは惜しくも外れたが、放ったシュートはチーム最多の3本。26分に盛田へ合わせたクロスなど、チャンスメークでも強みを見せた。加えて指揮官は「守備が得意な選手ではないが、日本代表の左SB(太田)を抑えた」と守備面の貢献を称える。甲府が互角以上に試合を進めた大きな要因が、彼のプレーだった。
けがに苦しんだ甲府での2年間だったが、水野は歩みを止めない。「まずはけがをしない体作り。(今季の)後半戦に入ってから自分でも気をつかうようになった。家でも筋トレを初めて、食事制限も今まで以上にしている」のだという。夏前には67〜8キロあったという体重も「62くらい」(水野)まで絞った。
ホーム最終戦後のセレモニーで、城福監督は「今年も盛田、山本、石原…。彼らが一番伸びました」とベテランの成長を称えた。29歳の水野にだって、残された可能性は十分にあるはずだ。(大島 和人)