
フィットしなかったフォルラン(左)、途中加入で奮闘したカカウ(右)
フォルラン外し。しかし流れは変わらず
かくして、C大阪は“禁断”のシーズン2度目の監督交代に踏み切った。3人目の指揮官は、C大阪U-18を率いていた大熊裕司監督だ。同時に、勝矢強化部長も事実上、権限を失い、育成の総責任者を務めていた宮本功氏がトップチームの強化本部長という形で就任した。
大熊監督の戦術は[4-4-2]のプレッシングサッカーで一貫していた。相手や試合展開に応じて猫の目のようにシステムを変えたペッツァイオリ監督に比べ、ブレのなさは徹底していたが、流れを変える引き出しの少なさも否めなかった。短期間で結果を残すために一つのやり方を貫くことは妥当である上、使える駒も少なかったという側面はあった。柿谷、カチャル、ミッチ・ニコルスの移籍に加え、山口、藤本、安藤、吉野とけが人が続出し、開幕前から懸念されていた人数不足の問題はいかんともし難かった。
ペッツァイオリ監督に続き、大熊監督もフォルランとの噛み合わせは悪かった。大熊監督はフォルランのキャリアをリスペクトする姿勢は見せたものの、走らず、味方に要求しては怒りを露わにするプレーに対し、主力から外す決断を下す。フォルランも監督の判断を尊重する態度は取ったが、「自分の持つプレーの質と監督の戦術は合わない」と公にコメントすることもあった。シーズン終盤は、カカウが気を吐き得点を重ねたが、守備陣を中心にメンタル面で選手は正常な状態を保つことができず、ピッチ上でリーダーシップを取れる選手も不在。容易に失点を重ね、降格が決定した。
クルピ以外では機能していない現実
今季の最大の問題は、チームを船に見立てたとき、羅針盤の役割を果たす強化部の機能不全だ。舵を取る監督も代わり、“セレッソ号”はこっちに揺れ、あっちに揺れ、その都度、大波が船体に被さった。ピッチで戦う乗組員(選手)の不安は増大し、本来の業務をまっとうできないまま目的地から逸れていった。「今季はどれだけいい準備をしても、試合になると何か変な空気が流れた」。降格決定後に山下が絞り出すように話した言葉が、苦悩に満ちた今季を表していた。
もちろん、選手にも問題はあった。2012年のセルジオ・ソアレス監督時代も含め、ポポヴィッチ監督にペッツァイオリ監督と、近年はレヴィー・クルピ監督以外の指導者の下では戦術に適応できていない。「監督が代わるごとに戦術は変わったけど、選手で理解していけばこなせたと思う。自分たちの力不足」と丸橋も語った。だが、繰り返すが、今季に関しては同情の余地もある。「選手の頑張りを結果につなげるのがクラブの力。金輪際、こういうシーズンは繰り返したくない」と宮本強化本部長は振り返る。さまざまな教訓を残した形で、C大阪の激動の1年は幕を閉じた。(小田 尚史)
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C大阪、J2降格。その“敗因”はどこに?(前編)