8季ぶりの悲願は叶わなかった。言うまでもなく、リーグ戦は1年の積み重ねだ。浦和は第19節以降第32節まで首位を走っていた。しかし、結果は2位。最後の3試合を1分2敗の未勝利で終えたことに直接的な要因があると考えるのが妥当だ。第27節終了時点でのG大阪との勝ち点差は『7』。第31節終了時点での勝ち点差は『5』。数字上は十分な余裕があったはずだった。
だが、チームに余裕はなかった。柏木が「この3試合は守備重視という気持ちが強過ぎた」と言えば、梅崎は「まとまってはいたけど、小さくなり過ぎた」と率直に話した。常にポジティブに物事を捉える西川も「何かが懸かった試合は硬かった」としながら、「どこかしら信じる気持ちや基本的なことが足りなかったのかな」と悔やんだ。自分たちらしさ――それはチームが常に大事にしてきた姿――を失ってしまっていた。
ペトロヴィッチ監督は残り3試合での失速について語る。「すべては『たら、れば』だ。いろいろな理由を挙げられる方がいると思うが、正しい解答を見付けるのは難しい」。その上で日本人選手に望むこととして「毎試合が同じ戦いではない。何かが懸かった試合をどう戦うか、もっと意識を変えていく必要がある」と続けた。選手たちの奮闘を称賛しつつ、「この3試合を振り返ってみれば、もっと戦えたと思う」と、メンタルに問題があったことを暗に認めている。「何が足りなかったかを話したらキリがない」(阿部)。浦和には、優勝するために必要な強さ、「勝者のメンタリティー」(西川)が足りなかったと言わざるを得ない。
ただ、優勝を逃したことですべてをネガティブに受け止める必要はない。チームは今季、4年ぶりに首位に立った。しかも全34節のうち、19節で首位だった。分が悪いとされてきたいくつもの対戦で勝利を収めてもいる。直近7年間で最高の2位。それはいずれも過去から学び、成長した結果だ。
来季はこの悔しさからさらに学び、さらに成長しなくてはならない。目指すのはもちろん、優勝。それしかない。(菊地 正典)