Jリーグ初の外国籍選手新人王
20歳でこれほど見事にタキシードを着こなすことは日本人にはできないだろう。壇上に立ったブラジルの好青年は「このような賞をいただき感謝しています」と、まだあどけなさを残す人懐っこい瞳とは裏腹に堂々としたスピーチを見せた。
「なんでシンプルにプレーしない! そんなところで下を向いてボールをつついていたら相手に囲まれるのは当たり前だろ。まわりにはたいてゴールに走れ!」
2月の宮崎合宿で、カイオはトニーニョ・セレーゾ監督から何度も雷を落とされていた。高校時代は、チームを引っ張らねばならず、なにからなにまで自分でやろうとするクセが付いていたが、プロに入ればその意識は不要となる。もともと「チームのために」という意識が強く、それをどう表現すれば良いのか最初は戸惑っているようだった。しかし、シーズンが始まるとそれを克服、持ち味であるスピード豊かなドリブルと強烈なシュートを発揮するようになる。華奢だった体が分厚い筋肉に覆われるようになると、当たり負けしていた球際も逆にはね飛ばすように変わり、30試合8得点。文句なしのベストヤングプレーヤー賞受賞だった。
シーズン途中から、躍進の理由を聞かれると口癖のように答えていたのが「良いトレーニングができてるからね」という言葉。トニーニョ・セレーゾ監督が課すハードトレーニングをマジメに、そしてなにより楽しそうに取り組んできた。
日本代表への思いを聞かれると「日本のサッカーは、私をサッカー選手として大きく成長させてくれた。もしそういった声がかかれば二つ返事で応えたい」と即答したカイオ。近い将来、鹿島サポーターだけでなく、日本全体を熱狂させるときが来るかもしれない。(田中 滋)