G大阪が誇る日本サッカー界の至宝、遠藤保仁
次から次に日本が誇るタレントたちが海外に新天地を求め、「空洞化」が進みつつあるJリーグ。プロ17年目にして初のMVPを受賞した遠藤保仁は、どんな大舞台にも動じない心と、正確無比な技と、そして近年は明らかに世界を意識して鍛えてきた体、それらすべてを磨き上げてきた。
「海外に行かなくても、取り組み方次第ではJリーグで十分に成長できる」。数年前、大阪の地を軸足にし続けてきた自らのキャリアを誇らしげに、こう語っていた遠藤。その言葉は海外でのプレー経験がないことに対する負け惜しみではないことをその結果で証明してきた。
昨季から登録上ではFWでもプレーし、その幅を広げてきた背番号7だが、本職はやはりチームの心臓部を司るボランチである。「最初は前目で使われていたので、難しかったが楽しみながらやっていたし、元に戻ってからは普段どおりのパフォーマンスを見せられた」(遠藤)。味方を操り、敵は欺く理論に満ちたパスは、もはや職人の域に達しているが、今季は「全力でハードワークする」と守備面でも秀逸なパフォーマンスを披露した。
「団体競技なので個人にスポットが当たるのはあまり好きじゃない」。リーグ最高の栄誉を手にしてもなお、そのコメントはマイペースだが、その行動原理がチームの勝利ためにあることを思えば、ある意味納得だ。
「自分が成長したいと思える間は成長できる」。2005年は攻撃に軸足を置くボランチで「影のフィクサー」だった男が9年の時を経て、名実とにもチームの大黒柱として攻守に汗をかき続けた。
「もう1カ月ぐらいしたら35歳になるが、サッカーは年齢じゃないということをこれからも証明し続けたい」。チームの枠を超えたJリーグの宝が、G大阪の背番号7である。(下薗 昌記)