補強ポイントは多いが、未だに積極的な動きはなし
今季苦しんだ最大の要因は守備の崩壊だったことは言うまでもないだろう。CBにけがが相次ぎ、2年目の三浦弦、ルーキーのブエノなどが出場した。彼らにとっては良い経験だったが、やはり荷が重かった。全試合フル出場を果たした平岡と、終盤にフィットしチームに不可欠な存在となったヤコヴィッチ、それにあともう一枚経験豊富なCBが欲しいところだ。
また、ゴトビ監督時代に多用された、“攻撃的な選手をSBにコンバートする”という流れは、大榎監督のもとで変わるかもしれない。SBでの起用が多かった石毛は、大榎監督就任後、攻撃のピースとして起用されることになったが、“水を得た魚”のように再び輝きを取り戻しつつある。とすれば、右SBの河井も前で使いたいが、現有戦力ではSB専門の選手がなかなかいない。イ・キジェを放出した来季は、バックアップも含めSBが必要になってくる。
攻撃陣では最後まで長沢の穴を埋めることができなかった印象が強い。長沢本人は今季終盤に戻って来たが、得点感覚があり、つぶれ役もこなし、前戦から守備をする、まさに“優良FW”の彼が来季の軸になるだろう。その上で、強力なストライカーがもちろん不可欠だ。ノヴァコヴィッチの去就は未定だが、もし放出した場合には二ケタ得点を狙えるストライカーがいなければ厳しい状況になる。
ただ、ここまで獲得選手の名前が挙がらないのはサポーターをやきもきさせる。今季は夏に積極的な補強ができず苦しんだ。その二の舞となれば来季も険しい道のりになることは避けられない。(田中 芳樹)
◆2015KEYMAN DF 水谷拓磨
大榎サッカーの秘蔵っ子
今季は残留するために練られたサッカー。来季は、ようやく大榎監督のサッカーのお披露目となる。常に主導権を握り、取られても前からボールを追いかけるという“見ていて楽しいサッカー”は来季の清水が目指すモノ。大榎監督のユース時代からの秘蔵っ子である水谷は、今季2種登録ながらリーグ戦6試合に出場し、「守備のスイッチになる」(大榎監督)とその才能を認められている。今季との違いは、水谷から生まれるだろう。