風間サッカーへの適応がカギ
悲願の初タイトルに向け川崎Fは、“即戦力級”の選手を迎えて武器である攻撃力を強化するというよりも、守備陣にある程度計算が立つ選手を補強している印象がある。筆頭は仙台で主将を務め、守りのメンタリティーを備えた角田誠。風間八宏監督が語る“1対1で負けない”という部分で強みを持ち、経験値も高い彼の存在は大きい。昨季の終盤にJデビューを果たした筑波大卒の車屋紳太郎、新外国籍選手のエウシーニョはレギュラー候補と言える。車屋に関しては筑波大時代から風間監督のサッカーを把握していると同時に、そこでの要求に応えられる能力を持つため、不安はない。気になるのはエウシーニョ。対人の守備能力とダイナミックなオーバーラップを売りとする“正統派”のブラジル人SBであり、フィゲレンセ(ブラジル)で頭角を表したあとに、名門バスコ・ダ・ガマ(ブラジル)へと籍を移した経歴を持つ選手だ。実力と実績は備わっているだけに、あとは“風間フロンターレ”の水に一刻も早く慣れることができるかどうか、シーズン前でどれだけ理解を深められるか、が重要になる。
一方で攻撃陣は、“即戦力”と自信を持って言い切れる選手がいない。松本に所属した昨季のJ2で19得点を挙げた船山貴之と、C大阪からの移籍が6日に確定した杉本健勇が大久保嘉人&小林悠というJ屈指の2トップと争うことになるが、バックアッパーとなるのが現実的だ。ペナルティーエリア内での嗅覚とパンチ力あるシュートに加えて、無回転も蹴ることができる船山、足元の技術に長け、ギャップで受けることを得意とする杉本がそれぞれの武器を発揮することができればチームの底上げにつながる。まずは風間監督から基本の技術面で“合格”をもらうことがスタートとなる。ACLによる過密日程で「練習時間が短った」(風間監督)昨季に比べて、来季はわずかではあるが準備期間が増える。ここでどれだけ新戦力が既存戦力と足並みをそろえることができるかが、すべてのカギを握る。(竹中 玲央奈)