
昨季、目前で獲りこぼしたリーグタイトル。分厚い選手層で、新シーズンこそ頂点を狙う
補強ポイント1 アジアでの戦いに向けた全体的な戦力アップ
補強ポイント2 昨季バリエーションを欠いた攻撃陣の補強
Jとアジアを制するための選手層
ACL、そして悲願のタイトル獲得に向け、現時点で浦和に新加入した選手は武藤雄樹、橋本和、高木俊幸、ズラタン、石原直樹、加賀健一の6名。期限付き移籍から復帰の3名、ユースから昇格の2名を含めて11名が加入した。一方でチームを離れた選手は坪井慶介、関口訓充、マルシオ・リシャルデス、加藤順大、阪野豊史、山田直輝、濱田水輝、矢島慎也の8名(阪野と山田、矢島は期限付き移籍)。現時点で登録人数は昨季後半の24名から27名になる。15シーズンの展望を占った昨年12月24日発売号(1539号)からの変化は、加入に限定すれば小島秀仁の復帰のみだが、あらためて状況を整理しよう。やはり新加入で目立つのは攻撃陣だ。左右CBのバックアッパーになると思われる加賀を除いて5名が攻撃的な選手。さらにサイドの橋本を除いて4名が1トップ2シャドーを主戦場とすることになりそうだ。昨季、この位置でリーグ戦に先発したのは柏木陽介、梅崎司、原口元気、リシャルデス、興梠慎三、李忠成のわずか6名。そのうち原口はシーズン途中でチームを去り、リシャルデスは先発出場1試合のみ。シーズン後半は3つのポジションを4人で回す状態だった。

広島で2連覇に貢献した石原。
彼らは実力的に申し分ないが、アジアで戦うことを含めて選手層を厚くするのはテーマの一つだった。ただ気になるのは、ここ数年に比べて多くの選手を獲得した一方、先発として迎え入れていると思われる選手、すなわちビッグネームがいないことだ。もちろん、たとえば昨季のC大阪のように目玉選手を獲得したところで失敗に終わる可能性もある。そういう観点から見れば堅実な補強だと言えるが、ACLはもちろん、特にあと一歩まで迫ったリーグタイトルに向けてブレイクスルーできる選手がほしかった。それでもチーム全体の選手層やベースが上がったことは間違いない。特に攻撃陣はよりレベルの高いポジション争いが、さらなるチーム力アップにつながる可能性も大いにある。そしてこのチームで目指すのはもちろん、昨季は手からこぼれ落ちたタイトルを獲得することだ。
POINT 大型補強もサイドとボランチの守備に不安
現体制になった12年以降、最も積極的に補強を敢行したと言える今オフ。ただ、懸念されるポジションが二つある。サイドとボランチだ。サイドは橋本和を獲得した上、梅崎司を回すこともできるが、いずれも攻撃的な選手。サイドで守備を任せられる選手は平川忠亮しかいない。ボランチも、攻撃的な選手を獲得しているぶん柏木陽介を一列下げることも考えられるが、やはり守備面で心もとない。期限付き移籍から復帰した岡本拓也、小島秀仁らの覚醒に期待したいところだ。(菊地 正典)