カタール開催の前回大会は日本に延長戦で敗れ優勝を逃しており、自国開催でのアジア杯初制覇を期待する声は国内に大きい。ブラジルW杯はスペイン、オランダ、チリと同居する厳しい組に入り、3戦全敗に終わったが、3位に輝いたオランダと接戦を演じるなど、ポステゴグルー監督の率いるチームは成長の手ごたえをつかんだ。またその一方で、若い世代の掘り起こしの必要性を痛感させられる機会でもあった。その後のテストマッチは昨年11月の日本戦を含むすべてをアウェイで行い、結果は1勝3敗。メディアからは批判もあったが、その間に新戦力が多くテストされ、今大会の登録メンバー23人のうち9人が90年以降の生まれというフレッシュな構成に。これも指揮官の当初の見込みどおりだろう。
ポステゴグルー監督がテクニカルなスタイルを押し進めていることもあり、歴代の“サッカルーズ” (豪州代表の愛称)に比べても、足元の技術に長けた選手がそろう。34歳のMFブレシアーノや35歳のFWケイヒルなどベテランも技術の高い選手たちで、チームの方向性が明確に表れている。もっとも中盤で攻守の軸を担う主将のジェディナクを筆頭に身体能力のベースは高く、対人戦の強みは接戦の中で大きな強みになる。
攻撃は中盤でしっかりとボールを回し、2列目の選手が縦にしかけてゴールに迫るスタイルを追求しているが、必要な時間帯ではこれまでと同様にロングボールを多用した戦い方やパワープレーを用いる。ただ、11月の日本戦では序盤に主導権を握りながら、日本のシステム変更に混乱し、そこからケイヒルを投入する終盤の間際まで立て直せなかった。22歳のMFルオンゴや23歳のFWレッキーなど、若手が勢いに乗ることが優勝のための条件であることは間違いないが、苦しいところでは結局、ベテランの経験がチームを救うことになるかもしれない。(河治 良幸)