昨年5月に行われたアジアチャレンジカップで優勝し、アジア杯初出場を決めたパレスチナだが、9月にジャマール・マフムード前監督が辞任。それでもアフメド・アル・ハサン監督がチームを率いてから、アウェイで精力的に6試合を戦ってきた。サウジアラビアに0-2、ウズベキスタンに0-1で敗れたものの、特に守備に関しては粘り強さを示し、着実に戦えるチームとしての手ごたえをつかんできた。イスラエルとの政情不安から、ガザ地区とヨルダン川西岸は分断された状態で、現在も国内で満足に強化できない。またビザの発給が間に合わず、国外からの招集を断念した選手もいるという。ただ、そうした困難な状況だからこそ、出自の異なる選手たちが一致団結して戦える。アル・ハサン監督は国民に良い知らせを届けることを宣言している。
パレスチナは[4-4-2]を基本にしており、アル・ハサン監督は縦関係の2トップを好む。8人でブロックを作って深めに守り、2トップがターゲットとなる基本スタイルは継続されている。ディフェンスはハイタム・ディーブを中心にシンプルなクロスには強く、サイドも縦の仕掛けに対しては簡単に崩れにくい。
日本戦では中盤のポゼッションはほぼ捨てて、長めのカウンターに懸けることが予想される。縦の2トップはスウェーデン生まれのマフムードとサウジアラビアで活躍するアルファワグラか。前者はスピード、後者は高さを強みにするが、ともに走りながら縦パスを受けるスキルが高く、日本の最終ラインは厳しい対応が求められる。中盤ではシンプルに精度の高いパスを出せるムラドをしっかりチェックしたい。また途中出場が予想されるFWハリドも決め手のあるストライカーで要注意だ。(河治 良幸)