長谷部、遠藤との三角形に手ごたえ
予想されたとおり、香川真司は[4-3-3]の左インサイドハーフで出場した。それでも、ビルドアップ時は長谷部誠が左右のCBの間に下がってボールをさばき、右の遠藤保仁も下がり目にポジションを取るため、その前で擬似的なトップ下のようなポジショニングになっていた。
立ち上がりは強風の影響で周囲のパスが相手にカットされる場面も多く、なかなかボールに触れなかった。しかし1点をリードして迎えた25分、左サイドから送られてきたボールに対して、強烈なシュートに持ち込んだ。岡崎慎司がヘディングしたことでアシストとなったシュートについて「一瞬パスを出すか迷う部分はあったけれど、シュートをする意識を持っていた」と語る香川。岡崎がいてこそのゴールだったことを強調するが、得点に絡んだその時間を機に、バイタルエリアで味方のパスを引き出す場面が増えたことは確かだ。42分には、ショートCKをエリア内で受けた際に倒されてPKを獲得。そして49分、再び左のショートCKから鮮やかな切り返しでクロスに持ち込み、吉田麻也のヘッドによる4点目をアシストした。つまり香川は、3得点に絡んだことになる。
守備を固める相手に対し、パスで起点になったところから再び動き出してもらい直す動きや、フィニッシュに直結するパスの精度については改善の余地がある。香川自身も「出し手になる回数が多いけど、出しどころやタイミングがまだまだ。試合を積み重ねていきたい。パスを出してから、自分がさらに前に行きたい」と話している。
中盤に遠藤がいる状況では仕掛けのスイッチやアクセントに徹することができたが、相手がベタ引きになったとはいえ後半の途中からは攻撃のリズムを作っていけず、交代選手を生かすこともできなかった。
感覚的には「まだまだ」と語るが、香川らしいターンや仕掛けも見られた。長谷部、遠藤とのトライアングルに手ごたえが出てきたことで、清武弘嗣とのコンビなど、オプションとなる布陣で香川自身がもっとパーソナリティーを出して機能性を上げることが必要となる。それが、これまで以上に日本代表での存在価値を高めることに直結する。(河治 良幸)