
柏で数々のタイトルを獲得した名将ネルシーニョ氏を新監督に迎え、遂に念願の初優勝なるか
補強ポイント1 攻撃と守備のオーガナイズ
補強ポイント2 各ポジションでの競争原理の激化
最大の補強はネルシーニョ監督の就任
昨季は11位。過去最高順位の9位にさえ届かなかった。ただ、W杯による中断期間を暫定3位で迎えるなど、リーグ戦の優勝を現実的なモノとして抱かせた。その最大の要因は、マルキーニョス、ペドロ・ジュニオール、チョン・ウヨンら新外国籍選手の補強だ。国内移籍組の増川隆洋、高橋峻希も先発を奪取しており、昨季は補強に成功したといえる。ただ同時に“個の力”に偏重し、組織体を作り切れなかった反省がある。攻守が一体となった試合は限られ、引き分け数は『12』、失点数は『50』と多かった。現有戦力でも十分にJ1を戦えるだけの陣容ではあるだけに、タイトル獲りへは、昨季49得点を挙げた攻撃力を維持しながら、守備を組織化できるかがクローズアップされる。
その観点でみると、新シーズン最高の補強といえるのは新指揮官となるネルシーニョ監督だ。柏時代の冷徹な采配は、これまでの神戸が体現し切れなかった厳しさそのもの。伝統的に選手同士の仲が良い神戸だが、タイトルを夢中で追うメンタリティーを養うには至っていない。ネルシーニョ監督のマネジメントは、チームや個人に戦術の体現を義務付けることが始まりだ。それを勝利につなげることで一体感を積み上げていく。その意味でも、現場の責任者であるネルシーニョ監督がどこまでクラブの指揮棒を振るえるかは大きなポイントになる。
また、現時点での選手補強を見ると、守備陣では、昨季負傷離脱の多かった相馬崇人が務める左SBに安田理大、CBながら汎用性のある高橋祥平を獲得。前線は大久保嘉人の獲得は果たせずも、得点力が期待される渡邉千真を加えた。実績のある選手を獲得し競争原理を高めた格好だ。一方でボランチは、昨季長崎に期限付き移籍していた三原雅俊、京都に期限付き移籍していた田中英雄が復帰したが、大屋翼、橋本英郎が退団し選手層は薄い。シンプリシオの退団で空いた外国籍枠の活用など、攻守一体の組織作りを進めるためにも中盤中央の補強は進めたい。(小野 慶太)