酒井高徳に成長を感じる
流れの中で2点目が入らず、本田圭佑のPKでの1点で終わった。だが、こういう試合もある。温度、湿度ともに高く、どちらも体力的に厳しくなっていった。実際にイラクは終盤、日本のパス回しを追えなくなったよね。良い試合運びもできていた。
本田、乾貴士、岡崎慎司、そして香川真司。彼らの調子がもう少し良ければ、2点目、3点目を決められただろう。ただ、守備から試合に入り、攻守に走っていたことを忘れてはいけない。ファーストDFになることを、攻撃陣は忠実に前半の頭から続けていた。もちろん、それはやらなくてはいけないことなのだが、真夏の暑い気候の中でしっかりと守備をすれば、消耗することも確か。どうしても落とせない試合だったのだから、手堅いスコアで終わっても仕方ないと思う。
中でも、乾は自分の良いところをしっかりプレーで出していた。股を通して、チャンスを作ったパスは良かったね。長友佑都が乾の背中をとおってオーバーラップしても、それをオトリにして、そこそこ良い選択のプレーをしていた。それに、酒井高徳の成長も感じる。攻撃的な長友につられて、前に出て行ってしまうようなことがない。攻め上がってもなかなか良い部分を出せないというのはあるが、守備での粘り強さを見せていた。つまり、相手を見ながらサッカーをやっているということ。駆け引きをしてガンガン攻め出て行くときもあるけど、それは相手を見ながらやっているという証拠でもある。
一方で気になったのは、乾、香川、清武弘嗣の守備。体と体がバンッとぶつかる球際の局面で、相手よりも小柄だからだといって負けていいわけではない。もっと1対1の奪い合いでの強さを身に付けて欲しい。今後さらに厳しくなる戦いの中で、重要なポイントになってくるかもしれないから。これは日本の課題として、育成年代の子供も言われていること。
イラク戦では勝ち切る試合ができた。3日休んで、ヨルダン戦。同じ集中力を維持していけばなんとかなる。引き分けでOKという試合なだけに、絶対、先に点を取られてはいけない。守備から試合に入っていい。グループリーグは特にそういうモノ。1点を取ってから、相手がどう出てくるか見ながらサッカーをやれれば大丈夫。そこで、人数の少ない速攻から点を取れれば、チームとしてワンランク上に行ける。少ない人数でのカウンターとなると、どこかでドリブルでかわすとか、DFより少ない人数で打開する必要が出てくる。守りながらも点を取れる形ができれば、勝ち上がる確率も増すと思う。(小見 幸隆)