前半は驚愕のボール支配率。“難しさ”を振り払って首位突破
前半の両チームのプレー数値は、驚愕の結果となった。シュート数は日本の7本に対して、ヨルダンは0本。しかし、それ以上に差がついたのがボール支配率。実に、日本が約75%も占有したのだった。 サッカーはパスをどれだけ回したかではなく、ゴール数を競い合う競技。とはいえ、これだけの数値の差が示すことは、お互いの力量差であることに変わりはない。後半にもヨルダン守備陣を自陣ゴール前に釘付けにするような攻撃を展開していった。
本田圭佑はヨルダン戦を控え、こう話していた。
「ヨルダン戦も入り方が大事になる。自分たちで難しい試合にすると戦力差があっても負けるのがサッカー。難しいサッカーにしていないところがここ2試合の良いところ。それを継続すること。3試合すべてで実現するのはサッカーでは難しい。でも挑戦したい」先制点を奪うことが何より機先を制することにつながる。そのゴールを奪ったのは、本田本人だった。イラク戦では3本のシュートをポストとバーに当ててしまったが、今回はしっかり右足で決めた。
大半の時間帯で主導権を握った日本。ただし、過去2試合にはなかった、あわや失点というようなピンチもあった。相手のミスや酒井高徳の体の張ったプレーで事なきを得たが、こうした展開でも危険が潜んでいるところに、本田の言う「難しさ」の本質がある。
このままイラク戦同様、追加点がなく終了するかと思われた、82分。清武弘嗣のスルーパスに抜け出した武藤嘉紀が、中央を見て冷静に折り返す。途中出場の二人のお膳立てに走り込んだのは、ゴールを渇望していた香川真司。シュートがGKの手に当たりヒヤリとするも、神様はここ最近の香川の苦悩を知ってか、ボールは静かにゴールの中に転がった。その一方で終盤には本田が再びポストに嫌われるシーンがあるなど、選手は最後まで何か見えない力に翻ろうされているかのようだった。
ただ一つだけ言えるのは日本がしっかり試合を圧倒し、少ない危機も防ぎ、勝利を収めたこと。ここまでアジアで確固たる強さを見せている日本。これだけは、何者にも覆すことのできない事実である。(西川 結城)