
今季こそ11年ぶりのリーグ優勝を果たしたい横浜FM。エリク・モンバエルツ新監督の舵取りに注目があつまる
補強ポイント 1 昨季の主力クラスが全員残留
補強ポイント 2 ラフィーニャが負傷完治で合流
新監督就任で“掛け算”の補強戦略
浦和のように各セクションに選手を集めたわけでもFC東京のようにピンポイントで補強したわけでもない。藤本淳吾、矢島卓郎、三門雄大、下平匠、伊藤翔と各チームの主力クラスを獲得した昨オフとは一転、他チームからの加入ゼロという静かなオフになった。
静観の構えを不安視する声もあるが、そもそも他チームと比べて戦力は劣っていない。特に昨季29失点とリーグ最少を誇った守備陣は今季も計算できる。攻撃陣では海外移籍の可能性があった齋藤学が残留し、一昨季リーグMVPの中村俊輔も復活を期す。先発を構成していた面々は全選手が今季も横浜FMでプレーするのだから、戦力ダウンは皆無に等しい。
唯一の補強ポイントだったストライカーについては、昨夏に加入したラフィーニャが始動日から完全合流している。昨季、先発した3試合で4得点を挙げて、優れたゴールゲッターであることを証明したブラジル人FWについて、嘉悦朗社長は「昨季はけがもあって能力を出し切っていない。今季から加入すると思っていい」と期待を隠さない。
したがって新卒選手と期限付き移籍組の復帰以外に加入がなかったのは「予定どおり」(嘉悦社長)である。昨オフの前田遼一のように獲得に動いて失敗したのではなく、今オフは動きそのものがなかった。新たに就任するフランス人のエリク・モンバエルツ監督の指導と采配によってチームにどのような化学反応が起きるか。始動日以降は1月下旬に沖縄キャンプを行って現有戦力の見極めを進め、必要な場合は空いている外国人枠を活用していく方針だ。
編成も仕切る嘉悦社長は胸を張って言い切る。
「補強の際、選手の出入りを足し算や引き算で考えてしまうことが多い。でも今回、ウチはモンバエルツ監督という刺激が加わったことで全体が1.2倍になるというような“掛け算”で考えている」
良くも悪くも横浜FMで変わったのは監督のみと考えていい。この一手が吉と出るか凶と出るか。とにもかくにも新監督のお手並み拝見である。
POINT 進行する高齢化。年齢構成に疑問符
ポジションごとのバランスは悪くない。懸念材料を挙げるとすれば、主力選手が昨季から1歳ずつ年齢を重ねること。2月に中澤佑二が、6月には中村俊輔が37歳になる。富澤清太郎、榎本哲也、栗原勇蔵、藤本淳吾といった面々は30歳を過ぎており、兵藤慎剛や中町公祐、小林祐三ら中堅選手も今年で30代に突入する。彼らは実力と経験を兼ね備えた選手たちだが、20代で主力と目されるのは数名と考えられ、成長力という点で疑問符が付く編成かもしれない。(藤井 雅彦)