
昨季は辛くもJ1残留を決めた清水だが、大榎監督は今季の目標を「優勝」と言い切った
補強ポイント 1 主力流出の穴を埋める補強
補強ポイント 2 将来の核となる選手の獲得
可能性を感じるが、未知数な補強
新体制発表会見で大榎克己監督が「あと外国籍選手一人、二人の獲得を考えている」と話していたように、清水の補強はまだ完成していない。前線の選手の獲得を狙っていると思われ、そこがそろえば評価は大きく変わるかもしれないが、現時点では厳しい評価になってしまうことは避けられない。
ただ、新加入選手の中で、水谷拓磨、北川航也、宮本航汰という清水ユースからの昇格組と、浜松開誠館高卒の松原后という、4人のU-18代表選手を獲得したことは、将来的に良い補強だったと言えるだろう。水谷が昨季J1で3試合に先発したように、若手を躊躇なく抜擢する大榎監督が指揮を執っていることもあり、今季中にチャンスが回ってくる可能性もある。
レンタルバック組では、昨季松本でJ2全試合フル出場を果たした犬飼智也は戦力として計算できる選手だろう。J1昇格争いを勝ち抜いたという経験値を得るなど、約1年半前の犬飼とは比べ物にならないほどの成長を見せている。昨季、清水はCBが不足し3バックで臨まなければいけない時期もあったが、これでひとまずは安心できるだろう。
また、清水サポーターから絶大な人気を誇る枝村匠馬の復帰も、うれしいニュースの一つだ。12年途中に清水を離れ、C大阪、名古屋、神戸とチームを転々としていたが、ようやく地元に戻ってきた。練習初日となった18日も、前線からのプレスで何度もインターセプトするなど、軽快な動きを見せている。清水の中ではベテランの域に達しているが、まだまだ28歳と錆び付く年齢ではない。再びチームを引っ張る存在になるかもしれない。
このように、可能性を感じさせる選手は多い。しかし、即レギュラーとして活躍できるかは未知数な選手が多く、ほぼ全員がチーム内での競争からスタートすることになりそうだ。昨季15位に終わったチームの補強として、それで良いのか疑問が残るところではある。
POINT 人員過多とバランス欠如。外国籍選手獲得の遅れ
仮に、現時点の人数から外国籍選手を2人獲得したとすると総勢36人。つまり、ベンチメンバーを含め、まるまる2チームを作ることができる。ACLに出場しないチームに、これだけの人数が必要だとは思わない。
構成も、中盤タイプの選手が多く、SBの選手層が薄いなど、バランスを欠いている。さらに、外国籍選手の獲得の遅れで、連係面の問題が生じる可能性もある。また、その選手がそもそもチームにフィットするのかどうかも不透明だ。(田中 芳樹)