Feature 特集

[甲府]プロビンチアの宿命。シビアで現実的なチーム編成/補強特集

2015/1/30 15:55

新たな布陣で昨季のような堅牢な守備を築けるかに注目



補強ポイント 1 外国籍選手を中心としたチームの若返り
補強ポイント 2 攻撃陣のバージョンアップ

上積みが望める前線と年齢構成の是正

 主力がクラブを去ることは、プロビンチアの宿命と言っていい。新戦力の補強においても、小クラブは不確定要素を受け入れざるを得ない。そういう意味で、甲府は例年どおりのチーム編成を行った。攻撃陣については、主力がほぼ残った。クリスティアーノはクラブを去ったが、チームにフィットせず、半ば持て余されていた選手だ。とはいえ盛田剛平、石原克哉といった30歳代後半の選手に、丸1年を任せることは難しい。人材的なプラスアルファは、残留の必須条件となる。そんな中で、大きな期待を集めるのがアドリアーノだ。昨夏から半年在籍した徳島では10試合無得点と不発に終わったが、C大阪、G大阪での1年半と、その後のカタールリーグで残した実績は一級品。かつてダヴィの“再生”に成功した甲府にとっては、同様の復活劇が期待される。

 ほかにも左利きの技巧派ウイリアム・エンリケ、期限付き移籍から復帰の堀米勇輝、大卒新人・伊東純也らが1トップ2シャドーの先発候補。J2での武者修行を終えて甲府に帰還した堀米は、愛媛で42試合出場8得点を記録した。走力、状況判断など課題にも克服の跡があり、四国のJ2クラブで技を磨いた柿谷曜一朗や齋藤学と同じ成長曲線が期待できる。前線は未知数の部分こそあれ、上積みを望める。

 懸念が大きいのは堅守を誇っていた守備陣。主力CBの2名がクラブを去ったことは、痛手と言わざるを得ない。左ウイングバックの野田紘史、CB渡邉将基は、堀米と同じく昨季はJ2でプレーしていた選手。特に渡邉はプロ7年目にして初のJ1だ。それぞれに明確な強みを持つ選手だが、個の能力、連係構築の両面で、不確定要素が著しく大きい。

 一方でブルーノ・ジバウ、エンリケ、堀米、伊東が20代前半、野田、渡邊も20代と、ベテランに偏っていた年齢構成は是正された。また外国籍選手の年俸削減、移籍金収入の両面で、経営面の負担が軽減されている。シビアで現実的な、甲府らしい15年のチーム編成だった。

POINT 主力2名が抜けた3バックの人選が懸念

 懸念が残るのは、3バックの人選だ。畑尾大翔は昨季終盤に3試合で先発しているが、プロのキャリアがまだ半年しかない。同じく先発候補の渡邉将基もJ1は今季初挑戦。土屋征夫は実績豊富だがJ1最年長となる40歳で、しかも左ひざの重傷からコンディションを戻している段階だ。松橋優、稲垣祥、新井涼平といったCB経験もある選手のコンバートや、盛田剛平のCB復帰といったオプションもあるが、新たなバランスを見いだすまでに紆余曲折があるだろう。(大島 和人)

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