“常にサッカーをやっている”。吉田サッカーの浸透は順調そのもの
2日の練習終了後、囲み取材に応じた吉田達磨監督は、1月19日から始まったグアムキャンプ、同26日からの指宿キャンプの二つを総括し、「イメージした以上の進み具合だった。キャンプで何ができたかということに関しては、満足している」と答えた。
チーム始動後、柏では手始めにサッカーの大枠を選手に伝え、グアムキャンプからフルコートの紅白戦を行うなど、本格的な戦術練習を取り入れた。指宿キャンプに入ると、吉田監督の指示・要求は細かくなっていく。アカデミー時代に吉田監督の指導を受けた工藤や茨田は、かつて自分たちが体現したサッカーを取り戻すという感覚だったが、一方で大谷、増嶋のように、新たに吉田サッカーに触れた選手たちからも前向きな意見が聞こえてきている。「新鮮で、やったことのない練習メニューが多いので、成長できるという予感がある」(大谷)、「ミスをしても、どうすればいいか細かく指示してくれるので、ミスもポジティブに捉えられる」(増嶋)。
戦術練習だけでなく、生命線となるパス練習も実戦を想定したモノ。選手がボールに関わることをイメージしながら、その共有と、パスをつなぐテンポやリズムを大切にする。また、ウォーミングアップを含めたあらゆる練習メニューでボールを使用するため、高負荷の体力的にキツいフィジカルメニューを与えられたとしても、選手たちは「走っている」、「走らされている」といった感覚よりも、常に「サッカーをやっている」という充実感を抱く。
従って、戦術の浸透は思いのほか早く進んでいると言えよう。これはキャンプ途中に茨田から聞いた話なのだが、ミーティングでは吉田監督が「ここまでやれるとは思わなかった」と選手に伝えたようだ。実際に1月29日に行われた鹿屋体育大との練習試合は「でき過ぎ」(工藤)という感想も聞かれたほど。自陣からビルドアップしていく吉田サッカーが早くも形になり、鹿屋体育大戦は6-0の圧勝に終わる。2月1日の鹿児島ユナイテッド戦は、「疲労困憊の中で選手がどうプレーするか」(吉田監督)との狙いがあり、その前日に相当選手たちの肉体を追い込んだため苦戦を強いられたが、吉田監督がこの試合に設けた狙いや意図は十分に発揮できていた。これら2試合とも、充実の練習試合となった。
キャンプを経て、明らかに確立された吉田スタイル。柏に戻った後は、17日のACLプレーオフへ向けて最終調整を続けていく。(鈴木 潤)