
茨田は柏U-12のころから吉田監督の薫陶を受け続けてきた。柏U-18時代はSB、CB、インサイドハーフなどでもプレー
一発勝負のプレーオフ、見せるか吉田スタイル
吉田監督はネルシーニョ前監督より24歳も若く、40歳はJ1最年少だ。しかしアカデミーの指導で結果を出し、37歳で強化部長を任されるなど、すでに確かな痕跡をクラブに残している。育成年代からのボトムアップで、柏のフットボールを変えた才幹だ。
彼は“ポゼッションサッカー”という言葉を使わず「“何とかサッカー”というのはあまりないですから」と素気ない。とはいえボールを組織的に賢く動かし、相手を振り回すそのスタイルは、育成年代の指導を担っていた当時から、観戦者に強いインパクトを与えていた。加えていまの柏にはレアンドロ、チョンブリ戦では途中出場が予想される大津といった個の打開力を持つアタッカーがいる。中高と吉田監督の指導を受けた工藤は「一人、二人をはがせる選手を生かすための要求」を、当時より強まった要素として挙げる。
劇的にACLプレーオフ進出への可能性を広げた昨季のJ1最終節・新潟戦(2○0)からまだ70日ほど。チーム作りは急ピッチだ。一方で工藤や武富、茨田といった“吉田スタイル”を経験していた選手の存在は戦術の浸透を助けた。吉田監督、大谷主将ともに、ここまでのチーム作りについては「順調」と口をそろえる。まだ伸びシロを残しつつも、一発勝負で勝利が必須のこのプレーオフから、一味違うスタイルの片りんは見て取ることができるはずだ。(大島 和人)