
PK戦突入かと思われた115分にCKからレアンドロ(11番)が決勝点を叩き込んだ
新スタイルを披露も、最後の崩しは発展途上
柏 3-2 チョンブリ
とことん苦しんでもぎ取った2年ぶりのACL出場権だった。昨季の柏はリーグ戦7連勝で急浮上し、最終節・新潟戦の後半ロスタイムに決めたゴールで、ACLプレーオフ圏に滑り込んだ。このプレーオフも延長後半に突き放す、際どい展開だった。長いシーズンを考えれば一定期間のオフは必ず必要で、このプレーオフに向けた練習期間はわずか4週間。その中でコンディションを戻し、劇的に変わったスタイルを浸透させることは難題だ。柏は吉田監督が「少なくともあと2週間は欲しい」と漏らす慌ただしさの中でも工夫をして、体と頭の備えをしなければならなかった。フィジカルのメニューでさえも「ボールを使いながら、ポジショニング、こういうサッカーをやっていくよというものが常に組み込まれていた」と大谷主将は振り返る。
組織的な崩しは相応に見て取れた。チョンブリはアンカー・茨田の手前に2トップが引き“2対1”で対応していた。しかし、柏は大谷がポジションを下げてフォローし、茨田のマークをはがした。大谷、武富のインサイドMFは引いて出る、サイドにも寄るという自在な動きで攻撃の先手を取っていた。ボールをただ持つというレベルに止まらない、ダイナミックな人の動きから厚みのある攻撃が生まれ、武富の先制弾につながった。
ただし最後の崩しはまだ発展途上だ。柏はエリア内でもただ打つのでなく、手数をかけて崩し切る狙いを多く見せた。最終局面のミスが多発した展開を見れば、単純にクロスやシュートを打って、こぼれ球を待っても良かったのかもしれない。
しかし、大谷主将は「サイドはいつでも突破できる。中に視線を集めながら、外を有効に使えればいい」と狙いを説明する。そもそも狭いスペースを打ち破る高度な連係を、4週間で構築することは無理な相談だ。できるまで続けていく、相手に“こういう攻めがあるよ”と見せておくことも、長いシーズンを見据えて必要な布石なのだろう。(大島 和人)