
開幕前に希望を抱かせる勝利をつかんだ神戸。FC東京から加入した渡邉は左FWで出場、1得点
北九州2-5神戸
初めての“後半”、若手の勢いで次々と加点
神戸の布陣は[4-3-3]。今季の始動日から積み上げてきたシステムだ。ただ、選手の配置は違った。主力組の左インサイドハーフを担っていた三原が18日の非公開の練習試合で負傷し、ネルシーニョ監督は右FWの森岡を右インサイドハーフに移し、サブ組だった小川を右FWに抜擢する“ぶっつけ本番”の形を採用。これは、パサーの森岡を軸に小川や奥井のスピードを生かす神戸が育んできた強みの形だ。
その策は先制された直後の36分に得点として結実。森岡のパスを小川が敵左SBの背後で受け、クロスからマルキーニョスのゴールを呼ぶ。その3分後、小川のヒールパスからマルキーニョスを経由して左から中に入った渡邉が逆転弾。「どんどんゴール前に出て行く」と得点への意欲を燃やし続けてきた新加入のストライカーが鮮やかに崩しのトリを飾った。
昨季の反省点だった“持ち過ぎ”を大きく改善し、序盤から2タッチのリズムで軽快にボールを動かした。ただ、ここまで45分の試合を2回しか実施しておらず、今季初の“後半”は前線の動きが停滞。リードしている状況で各選手が“持ち過ぎ”、北九州のプレスにつかまった。それでも、指揮官がベンチに置いた若手が流れを引き戻す。「紅白戦の相手が一番強い」と相馬がうなるサブ組のメンバー、石津や田代、増山がボール回しを活性化。どん欲にゴールを狙い、最後まで主導権を握った。
指揮官の細かな戦術の落とし込みに選手たちはいまなお四苦八苦する。それでも、公式戦を視野に入れ北九州の分析を行った上で臨んだ一戦は、今季への期待を高める圧巻の大勝だ。指揮官は「今日のチームとしての目標は達成できた」と選手の体現力に上々の評価。初戴冠を目指すネルシーニョ・ヴィッセルが華々しくお披露目された。(小野 慶太)