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[日本代表]噂の指揮官 バヒド ハリルホジッチ

2015/3/12 19:30

ハリルホジッチは昨年のW杯でアルジェリアを率いてグループステージを突破



日本代表新監督就任となったハリルホジッチ氏。イビツァ・オシム元日本代表監督とも親交があると言われるボスニアの名将はどんなサッカーを指向するのか。

柔軟な戦術と強靭なメンタリティーに期待

 日本サッカー協会は日本代表の次期監督としてバヒド・ハリルホジッチ氏の就任を発表した。ボスニア・ヘルツェゴビナ出身のハリルホジッチ氏はブラジルW杯でアルジェリアを率い、H組の2位で決勝トーナメントに進出。ドイツと激戦を繰り広げた末に延長戦で敗退したが、そのパフォーマンスは世界を驚かせた。フリーの監督では直近のW杯で最も実績を残した監督であることは間違いない。

 アルジェリアでは組織的で鋭利なカウンターを実現し、戦術的な引き出しの多さを証明。ハードワークをベースにした堅守はそのままに、システムは状況に応じて3バック、4バック、5バックを使い分け、ブラジルW杯では4試合すべて異なるシステムで戦った。日本でも最初はシステムを固定するかもしれないが、戦い方の基本が大きく変わるわけではないため、選手たちの戸惑いもそれほど大きくはならないだろう。

 戦術以上に期待できるのは、どんな相手にも勇敢に立ち向かうメンタリティーの植え付けだ。「プレッシャーは本当に大好きだ」と告白するほど、厳しい状況の中で大きな仕事をすることに生き甲斐を感じるタイプの指揮官でもある。ハビエル・アギーレ前監督は少なくとも半年間、対戦相手の情報はあまり与えず、選手の判断力に委ねた部分が大きかったが、ハリルホジッチ氏は自分たちの特徴をベースとしながら、対戦相手を徹底的に研究して相手のストロングポイントを消し、ウィークポイントを突く手腕に優れている。

 Jリーグに関しては現時点であまり知識はないと思われるが、日本サッカーの特質は親交の深いオシム元日本代表監督に情報を求めるだろう。筆者の予想としては、最初はあまり大きくメンバーをいじらず戦術の植え付けを急ぎ、徐々に入れ替えていくのではないか。その中で、一定の技術を基準としながらも、球際で厳しく行ける選手や気持ちの強い選手など、ハリルホジッチ氏ならではの人選もされていくはずだ。

 日本にはアフリカのような身体能力はないが、組織としての勤勉さや機動力、クイックネスがある。むしろ出身地の東欧に通じる部分もあり、コートジボワールやアルジェリアともまた違った好チームを構築していく期待が持てる。そのためにも協会にはマッチメークなどでしっかりしたバックアップが求められる。まだ条件面などの詰めが必要で正式決定ではないが、朗報を待ちたい。 ( 河治 良幸)

バヒド ハリルホジッチ(Vahid Halilhodzic)
1952年10月15日生まれ、62歳。ボスニア・ヘルツェゴビナ出身。00-01年にはリール(フランス)を率いて最優秀監督に選出された。代表ではコートジボワール、アルジェリアを指揮。昨夏、トラブゾンスポル(トルコ)の監督に就いたが11月に退任していた。

EG 番記者取材速報

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