3カ月前とまったく同じ結果。“三冠の記憶”を取り戻す90分
ボールを支配する浦和に対して、しのぐG大阪。約3カ月前の埼玉スタジアムで繰り広げられた熱戦のリプレイを見るようなゲーム展開の末、まったく同じスコアで勝利したのは大阪の雄だった。「苦しい時間帯をしっかりと守っていれば、いつか前が点を取ってくれる」。丹羽が振り返ったのは三冠王者が昨季確立した“勝利の方程式”。不用意に失点せずに、数少ないチャンスを強力なアタッカーたちがゴールに結び付ける。
攻守に低調だった2月24日のACLグループステージ第1節・広州富力戦とは異なり、明らかに実戦感覚を取り戻し始めていたG大阪ではあったが、前半主導権を握り続けたのは浦和。初めてコンビを組んだ宇佐美と赤嶺の2トップは距離感が遠く、孤立気味で前半はわずかシュート1本のみに封じられた。
しかし、対照的に“対浦和”を頭にインプット済みの守備陣は浦和の持ち味である中央での崩しを許さず奮闘。「サイドでボールを持たせても中央ではね返せばいいと割り切っていた」と丹羽は守勢に回った45分を振り返った。
主導権を握る時間帯に得点できない浦和の悪癖に対して、G大阪は自分たちが得意とする形を持っている。63分にパトリックが投入されるとサイドでゴリ押しする得意の形をチームは有効活用。「あそこで収まるので、そこでのこぼれを信じて2列目が絡んで行ける」と倉田は“戦術パトリック”の効果を振り返った。そしてブラジル人アタッカーの特長を最も知り尽くす宇佐美も、水を得た魚のように躍動する。
宇佐美との崩しでパトリックが得たCKから和製エースが「スカウティングで森脇がボールウォッチャーになると分かっていた」と狙いどおりの先制点を奪う。追う浦和もズラタンを最前線に投入するもののG大阪の最終ラインが決定的に崩されることはなかった。
後半ロスタイムには得意のカウンターからパトリックが相手DF二人を引きずりながらのダメ押し弾。今季一冠目の重要性もさることながら、“三冠の記憶”を取り戻した90分間だった。( 下薗 昌記 )