
阿部の痛切な訴えに、スタンドは一瞬静まり返った
浦和0-1ブリスベン・ロアー
阿部は涙ながらに訴えた。試合終了直後のインタビューのあと、一人でスタジアムを一周する。その前にスタジアムを一周した選手たちと同じように、阿部にも痛烈なブーイングが浴びせられた。耐え切れなかった。北ゴール裏へ行くと、阿部は右手の人差し指を立てながら必死に訴えた。「一つ勝つために俺らは全力で戦うから、一緒に戦おう」。
試合後のブーイングはやむをえないだろう。「ブーイングも結果も受け止める」と阿部が話したように、“そういう”試合だった。いわゆる“安い失点”を簡単に喫し、チャンスで決められない。ここまでの2試合、さらに昨季の終盤と同じ展開が続いた。その結果や失点で精神的なダメージを受けたのかもしれないが、この試合は今まで以上に消極的なプレーが目立った。望む結果が出るはずはなかった。
公式戦3連敗、ACLホーム開幕戦で惨敗という結果は確かに重い。ただ、まだ何も終わってはいない。リーグ戦に至っては開幕すらしていない。苦しい状況であることも、湘南戦まで時間がないことも確かだが、「同じ方向に向かって歩いていかないと」(阿部)。下を向いている暇はない。まずはチーム一丸となってこの状況を乗り越えるしかないのだ。(菊地 正典)