新シーズンが始まる直前、柴崎は断固たる決意を口にしていた。「5年目を迎えて、昨季までとは違った立ち位置で臨みたいと思っている。自分が先頭で引っ張っていくという決意を持って臨みたい」。
そして臨んだACL、柴崎は素晴らしいプレーを連発した。攻撃面はもちろんのこと、守備の貢献度が飛躍的に上昇。中盤に罠をしかけ、パスを出させたところをインターセプト。何度もチャンスを作った。しかし、チームはウェスタン・シドニーとFCソウルに2連敗。悲観的な空気が流れる中、柴崎だけは感情に流されることなく試合を冷静に分析していた。
「内容的には良くなっていると思うし、ポジティブに考えられる部分は多くなっている。Jリーグもあるので、ネガティブになる必要はないかと思う」
平静さを保っていたが、悔しくないはずがない。FCソウル戦では自身が好機を逸したことが敗戦につながった。試合終盤、左サイドを攻め上がり、逆サイドから走り込むカイオに合わせたクロスは柴崎の意地だ。
ポーカーフェイスで臨むことが多かった試合中の姿勢も、感情をあらわにすることが多くなった。時にはミスをしたベテランの曽ケ端を叱咤する姿さえ見られる。「淡々とやることも大事なんだけど、ある程度出さなきゃいけないところもある。それは味方だけでなく相手にも影響する」。曽ケ端は柴崎の変化を歓迎した。
ACLではチーム全体に試合勘が欠如していたことが連敗につながった。しかし、ここで大会が変われば仕切り直すことができる。
柴崎は清水戦への意気込みを口にした。「ACLとは別のJリーグというタイトル。自信を付けるためにも、ACLで今後勝っていくためにもここで一つ開幕戦を勝っておくことは非常に重要だと思う」。
柴崎の、柴崎による、柴崎のためのシーズンを期して開幕戦に向かう。 ( 田中 滋)