■大宮アルディージャ
結果を得ることで、強者のサイクルをつかめ
危機感はあるが、焦りはない。開幕戦を迎える大宮の状況を端的に表すなら、そうなるだろう。 キャンプ後の練習試合で思うような結果が出ておらず、それについてはチーム内で危機感を共有している。一方で、42試合をとおして争うリーグ戦を見据えれば焦りは不要だ。公式戦でしか測れない部分もある。取り組んできたサッカーへの自信を失う必要はなく、その心配もない。
ただ、それが大事な開幕戦を戦う上での言い訳になるわけではない。開幕前1週間の立ち上げにあたって、渋谷監督は現状の課題を踏まえ、「もう一度、守備を重点的にやる」と語った。攻撃の構築に注力する中で、欠如することが増えつつあった守備面のディテールを徹底的に確認。付け入るスキを極限まで減らし、堅実に結果を追求する姿勢を見せている。
東京V時代にJ2を経験した金澤は、「いかに本番でしっかりと自分たちが練習でやってきたことを出せるか、結果を残せるかが一番重要になる」と展望する。まずはすべてを出し切ること。それができれば自ずと結果は付いてくるし、結果がチームをさらに成長させる――。“強者のサイクル”に入るため、大宮は第一歩となる勝利を奪いにいく。(片村 光博)
■ツエーゲン金沢
継続性と一体感を武器に、いま冒険が始まる
J2昇格を決めた金沢が、新たな船出を迎える。リーグ戦初戦の相手は優勝候補・大宮。昨季はカテゴリーが二つ違ったとはいえ、同じピッチに立てば一つのボールを追い続けるのみだ。
「(大宮は)個々の選手の能力がJ2の中でも非常に抜けている。個に対して自分たちがグループで対応できるのか。考えないといけないポイント」(森下監督)。ムルジャ、家長らタレントぞろいの大宮との“個の力”の差を組織力でどれだけカバーできるかが、勝ち点獲得への大きなカギとなりそうだ。押し込まれる時間が長くなる展開も予想されるが、昨季構築した守備をベースに反撃の機会をうかがう。
少ないチャンスをモノにするためには水永の決定力が、苦しい時間を耐え切るには秋葉の経験値が重要になってくるだろう。そして、「守備からカウンターというのは自分たちの強みというか特色になる」と清原が語ったような金沢らしい形を期待したい。
開幕前の順位予想では降格候補の筆頭に挙げられる現状がある。厳しい声を森下監督は受け入れながらも「チームワークで1年間カバーして、強みにして戦いたい」と話す。継続性と一体感を武器にした金沢の冒険がいま、始まる。(野中 拓也)