1ゴール1アシスト。今季公式戦初勝利で殊勲の活躍を見せたのは、「浦和レッズのことを愛しているし、この環境でプレーできることを幸せに思っている。常に100%でプレーしているつもり」と公言する宇賀神だった。
宇賀神は自ら「時に空回りする」というほど、気合いを入れて試合に臨むタイプだ。そして湘南戦にも特別な気持ちで臨んでいた。3日前の試合、ACLグループステージ第2節・ブリスベン・ロアー戦(0●1)の試合後に響いたサポーターからのブーイング。宇賀神は「納得がいかない」とはっきり物申したが、それに対していろいろな声が入ってきたという。それゆえの冒頭のコメントであるが、口で言うだけでは何も始まらない。その気持ちをピッチで表現するほかなかった。
加えてこの3連敗で宇賀神は強烈な悔しさも感じていた。公式戦初戦、ACLグループステージ第1節・水原三星戦(1●2)。1-1で迎えた80分、中央に入りながら石原のスルーパスを受けたが、シュートはGKの正面。決定機を逃した。「あのシュートが決まっていればその後の失点もなかったと思う」。つまり、自らがゴールしていれば負けていなかったかもしれない。あの試合で負けなければ、3連敗もなかった。宇賀神は責任を感じていた。
普段はゴールもアシストも決して多いわけではない宇賀神が出した1ゴール1アシストという結果。こういう出来事を劇的としてしまうのは簡単だが、自身も「オマケ」と笑ってしまうFKを含めて、やはり彼のそうした全力のプレーが実を結んだ結果だろう。もちろん、「いつもそうじゃなきゃいけない」ことも分かっているし、「この1勝に満足している選手は誰もいない」。「気持ち的にはだいぶ落ち着けたと思うので、これからは見ている人も楽しいサッカーができるんじゃないかと自分自身、楽しみでしょうがない」。そう話す宇賀神の表情は充実感に満ちていた。(菊地 正典)