長らくチームを引っ張って来た小笠原、曽ケ端という79年組の選手がピッチに一人もいない。ACLを2連敗してリーグ開幕戦を迎えた鹿島はどうしても勝利が欲しい状況だったが、トニーニョ・セレーゾ監督は思い切った決断を下す。ボランチに梅鉢を、そしてGKに佐藤を抜擢するなど、大幅に選手を入れ替えて清水戦に臨んだ。
しかし、自陣ゴール前で本田をかわそうとした梅鉢がボールを失い、先に失点。69分に遠藤の得点で追い付くも、その後、2失点して突き放される。多くのチャンスを作りながら、シュート5本で3失点するACL初戦のウェスタン・シドニー戦(1●3)と同じような敗戦となってしまった。
こうした敗戦を喫したときどうしても“小笠原不在”がクローズアップされる。実際、前半の戦いはロングボールが多く、監督も「中盤でのパスワークがウチの売り。ハーフタイムで修正した」と言う。
ただ、その中で気を吐いたのが後半から出場した遠藤だ。小笠原が乗り移ったかのように、相手に激しく寄せられても体を張ってボールをキープ。強引に流れを引き寄せ、得点も決めた。
「ベンチからもロングボールが多いと感じた。全体としてビビってつながなかった部分があった。監督に言われたことをやっているだけじゃなく、自分自身の判断の部分も出すべき」
79年組がいなくてもチャンスを作ることはできた。しかし、勝ち切ることはできていない。流れを読んだプレーは少なく、ハーフタイムの監督の指示を受けるまで修正が効かなかった。もっと遠藤のような選手が増えなければ、鹿島の魂は継承できない。( 田中 滋)