今オフ、水戸は鈴木隆行(千葉)らベテラン選手を放出し、若返りを図った。その答えをチームは開幕戦で示した。今季の水戸のサッカーを一言で説明するならば、「躍動感」。ポゼッションを重視していた昨季から一転、動きの量と質で相手を凌駕するサッカーを標ぼうする。運動量とスピードが求められ、そのために若い選手の力が必要とされたのだ。
そして迎えた開幕戦、平均年齢24.18歳という若い先発メンバーが、目指すサッカーを体現してみせた。2列目、3列目からボールホルダーを追い越し、数的優位を作って局面を打開。また、ボールを前に出す意識が徹底されており、熊本の守備陣形が整う前にスピーディーに攻め立てた。「最初から最後まで、ほぼわれわれのペースだった」と柱谷監督が自負するように、終始押し気味に試合を進め、決定機の山を築いた。原のスーパーセーブ連発と不可解なジャッジに阻まれ、ゴールを決められず、無得点に終わったものの、若いチームが開幕戦で自分たちの目指すサッカーを明確に示せたことは大きな収穫と言えるだろう。「集大成ではなく、新たなチャレンジ」と指揮官が意気込む、柱谷体制5年目のシーズン。その所信表明は、見ている者に確実に伝わった。(佐藤 拓也)