柏のコンパクトな守備を、ぜひ見てほしい。相手のオフサイド数を見るとACL全北現代戦は『12』、開幕・神戸戦は『11』という異例の多さだ。決して無理に取ろうとしているわけではない。相手のスペースを奪うことで、自然にオフサイドが取れている。
単に最終ラインが高く出ればいいということではない。茨田は「ボールに力が加わらないタイミングで、ラインを押し上げることを、最終ライン全員が常に意識してやっている」と説明する。
相手がDFの背後へ出そうとしているときにラインを上げる賭けをしなくても、駆け引きで先手を打てば攻撃の選択肢を奪える。増嶋は「前がプレッシャーに行っている状態なのか、横に仲間がいるのか。タイミングを見極めて、全員が同じ絵を描かないと、あそこまでラインを高く保てない」と深まった連係を説明する。特にCB二人の関係は「オレと(鈴木)大輔のところは、横を見なくても感覚が同じ」(増嶋)だという。
コンパクトさのメリットは単にオフサイドの数だけで測られるものではない。相手を狭いゾーンに押し込むことで、奪われたあとの寄せが近くなる。鈴木が「前で奪わせるためにコンパクトにしている」と説明するように、狭さが良い攻撃につながる良い奪い方にもつながっている。加えて茨田は「CBが横に流れていったところのカバーも、ラインを押し上げてくれているからこそしやすい」という、カバーリング面の強みを口にする。
11人が連動して先手を打ってスペースを消し、相手の選択肢を奪う。柏の好調を支えているのは、そんな攻撃的守備だ。(大島 和人)