■FC東京
青赤は堂々と相手に対する。堅守というよりどころを誇示する一戦に
Jを代表する堅守のチームと言えば、横浜FMであることに異論はないだろう。昨季もリーグ最少失点(29)を記録している。対してFC東京は昨季から守備のチームに変貌した。イタリア人指揮官の細かな相手分析と、タフに敵をはね返す力強さ。それが重なった結果、昨季は34試合で33失点。1試合平均1失点以下という事実が、いまのチームの自信のよりどころだ。
昨季の両者の対戦は、1-0(FC東京が勝利)と1-1。スコアを見ても、どれだけお互い手堅い試合展開を得意にしているかが分かる。自ずと今回の対戦のポイントも、どちらがゴールをこじ開けられるかとなってくる。ネットが揺れる瞬間は、点を許したチームの意地と自信も揺らぐときだろう。
鳴り物入りの選手、アデミウソンをFC東京はホーム初戦で迎えることとなった。川崎Fとの開幕戦で1得点を挙げたものの、攻撃が湿りがちだった横浜FMはいきなりこのブラジル人ストライカーに多くを賭けてくるに違いない。そこで簡単にやられているようでは、青赤の自信も頼りないモノとなる。
開幕戦に先発したベテランの羽生は、対策についてこう語る。「ホーム初戦なので、こちらもよりアグレッシブに向かう。しっかりと相手のビルドアップから圧力を掛けて、アデミウソンに良いボールを入れさせないようにしたい」。同じく中盤のハードワーカー米本は、チーム全体で敵の新戦力を威圧したい考えだ。「みんな初めてで分からない相手にはガッツリ当たると思う。自分もファーストプレーで相手に『何だコイツら!?』と思わせられるようなプレーをしたい」。
プレーはまだベールに包まれているため、個人に向けた細かな対策はできない。それでも「相手がどれだけすごくても、森重を筆頭にした守備陣はそんな簡単にやられない」(羽生)と、チームとして堂々とした姿勢で相手を受け入れる準備ができている。FC東京はアデミウソンを、横浜FMを恐れていない。( 西川 結城 )
■横浜Fマリノス
最初のターニングポイント。ステージ優勝のために落とせない一戦
川崎Fに完敗した開幕戦からちょうど1週間。横浜FMは悶々とした日々を過ごした。エリク・モンバエルツ監督は黒星スタートについて「非常にガッカリした」と心境を吐露。相手の内容が良かったのも事実だが、それ以上に自分たちが力を出せなかった。心身ともに立て直しを図ってFC東京戦に臨む。
負けられない理由がある。過去に2ステージ制を採用していたJリーグにおいて、最後のチャンピオンチームが横浜FMだ。04年に優勝を経験している中澤は「2ステージ制なのでもう負けられない。最初に2敗したら優勝は厳しい」と置かれている状況を捉えた。連敗スタートで未来への展望が開かれないことは、ほかのどのチームよりも理解している。
勝つための準備として、モンバエルツ監督は守備面のテコ入れを行った。川崎F戦で中途半端だったブロック守備を徹底し、ボランチにファビオを起用して紅白戦を行う。戦術トレーニングでは「もっとコンパクトにしてスペースを消さないといけない」と守備の注文に時間を割いた。相手に関係なく、横浜FMの新たなスタイルを築く作業である。
そのタイミングでサッカー王国ブラジルから新たな助っ人が加わった。オフェンスプレーヤーなのは言わずもがなだが、攻撃にリズムが生まれることで守備陣が持ち前の堅さを取り戻すきっかけにもなる。つたないボールの奪われ方を続けるようであれば、武藤をはじめとしたFC東京の鋭い攻撃を食らってしまう。攻撃と守備は表裏一体なのだから、攻守両面でのブラッシュアップを模索しなければならない。
勝てば仕切り直しの一戦になるだろうが、開幕戦での低調な内容を踏まえると、負けてしまえば泥沼に足を踏み入れかねない。わずか17試合でタイトルを争う短期決戦で、スタートダッシュ失敗を取り返す時間はない。アデミウソン加入も含めて、今季の最初のターニングポイントになる試合だ。( 藤井 雅彦 )