守備の安定感以上に目立った“拙攻”ぶり
堅守が売りの両チームの対戦は、戦前の予想どおり手堅い展開となった。ただ、守備の安定感以上に目立ってしまったのが互いの“拙攻”ぶり。決めるべきところで決め切れなかった横浜FM。決定機すら作ることができなかったに等しいFC東京。守り合いで締まった試合というよりは、それほど高揚感のない退屈な90分間となってしまった。
横浜FMの新指揮官、エリク・モンバエルツ監督は「難しい試合だったが、チャンスを作ることはできていた。ただFC東京のGK(権田)が素晴らしかった」と無得点に終わったことを嘆いた。その言葉どおり、特に後半に入ってからの横浜FMは攻勢を強め、54分と55分にペナルティーエリア内で兵藤が立て続けにシュートを放ったが、これを権田がセーブ。さらに78分には期待のストライカー・アデミウソンが絶好機を迎えたが、右足のシュートは当たり損ないとなりゴールの外へ。この日の展開からすれば、一つでも決めておけば勝利に大きく近付いていただろう。
より厳しい内容となったのはFC東京。シュートは前後半で武藤がそれぞれ1本ずつ放ったのみ。「相手もしっかり対策してきた。川崎F戦では上がっていたSBがこの日は引いてきたことで、武藤が生きるスペースがなくなった」と、森重は“不発”の理由を語る。縦に速い攻撃を消されると途端に攻め手を失うところは、昨季からの課題。万能型FWの前田も2試合連続シュートゼロで、機能的に生かし切れていない。
3万人以上の観客が集まったにも関わらず、試合中にスタジアムが静まり返る瞬間もあったほど。ハリルホジッチ日本代表監督も視察に訪れた一戦だったが、残念ながら熱量に欠けた90分間となった。( 西川 結城 )