前半はホームの愛媛が完全に福岡を凌駕した。球際の強さと運動量で上回って福岡を後手に回らせる。ショートパスをつないでポゼッションを増やしつつ、効果的にサイドへ大きなボールを展開してゲームを掌握する。6分に生まれた先制点はまさにそれが象徴された場面。中盤のパス回しで相手を引きつけると、ポッカリ空いた右サイドのスペースにボールを展開。これで攻撃のスイッチが入った愛媛は前線の選手が勢いをもってゴール前に侵入。藤のピンポイントクロスを西田がダイビングヘッドで合わせて先制に成功した。追加点は26分の河原のゴールのみにとどまったが、多くの決定機を作り出し、前半だけでゲームを決めてしまうことも十分な内容だった。
しかし、後半は真逆の展開。福岡の両ワイドが積極的に攻撃に加わって攻勢に出ると、追われる立場の愛媛は前半の冷静さを欠いて防戦一方に。相次いで3選手が負傷し予期せぬ形で交代カードを使い切る不運も重なり、ひたすら我慢の展開を強いられた。終盤は「しのぐことを決意」(木山監督)し、リトリートして時間稼ぎに集中。結果的に福岡の反撃を中原貴の1点のみに抑えて辛くも逃げ切りに成功。
愛媛にとって、前半は「理想的」、後半は「我慢」と両極端な展開になったが、内容よりまず結果にこだわる今季のチームにとっては、両面ともに愛媛の目指すスタイルが見えた試合とも言えるだろう。(松本 隆志)