
先制点を決めた阿部がブリーラムの激しいアプローチを受ける。G大阪は先制したものの、勝ち切れなかった
必勝パターンの展開も、結局勝ち切れず
引き分けでもグループステージ突破が苦しくなる大一番に対するチームの意気込みは、立ち上がりの攻勢に表れていた。過去2節は開始早々に不用意な失点を許し、相手に引かれる展開を招いた。この反省を受け、「立ち上がりに失点しない」ことをテーマに掲げたG大阪だったが、5分に放った宇佐美のシュートを皮切りに、チームは攻勢に出る。
時に5バック気味に人数をかけて守るブリーラムに対して、パトリックが押し込んだスペースを阿部らが用いるお得意のパターンで敵陣に侵入すると、39分には宇佐美のシュートのこぼれ球を阿部が押し込んで待望のACL初得点を奪った。
過去2節は追う展開を強いられ、さらにカウンターで加点を許すというまったく同じパターンで敗れているG大阪。今大会初めて先制して後半を迎えるという理想的な展開だったにもかかわらず、昨季の勝ちパターンだった“ウノゼロ”をモノに仕切れないところに三冠王者の悩みが見え隠れした。
「追加点が取れなかったことが試合のポイントになった」と宇佐美。支配している時間帯に突き放し切れない攻撃陣の甘さで次第に試合のリズムを失うと、相手の少ない決定機で痛恨の被弾を喫するのが今季のG大阪の悪癖だ。
62分には左足のセットプレーを警戒していたはずのブンマタンに直接FKをねじ込まれると、過去2節同様、前がかりにならざるを得ない苦しい展開で、ブリーラムはカウンターからチャンスを作り出す。
「負けていてもおかしくない展開だった」と東口が顔をしかめたように、74分にも直接FKがバーに当たり、逆転されてもおかしくない劣勢を強いられる。
後半はわずかシュート2本にとどまり決定機もわずかに1回のみ。タイムアップの瞬間、6,469人が足を運んだスタジアム内にブーイングが響いた。
先に失点すれば、攻撃陣が相手をこじ開け切れず、先制しても守り切れない悪循環―。現状の戦いでは残り試合での3連勝はとてもおぼつかない。(下薗 昌記)