途中出場の羽生がチームのスイッチを入れる
開始2分にFC東京の左サイドを攻略した新潟が、最後は山本のシュートでいきなりゴールを奪った。寝ぼけ眼で戦っていたに等しいFC東京に対して、新潟は痛烈な先制パンチをヒットさせることに成功した。
新潟にとっては悪くない前半という感触だった。その後も球際での争いとボールをつなぐプレーで相手を先んじていく。また、FC東京のアバウトな攻撃にも助けられた。「相手の前線がDFの裏に走り込んで、そこにボールが出ることで中盤にも大きなスペースができた。そこでパスをつないで組み立てることは練習からやっている」(柳下監督)。間延びした相手の間隙を縫って、レオ・シルバを中心とした新潟の中盤勢が小気味良くパスを繰り返し、サイドチェンジを有効活用しながらホームチームを苦しめていった。
対するFC東京は先制を許したが、時間帯が早かったことで気持ちを切り替えることができたという。
「早い時間の失点はDFとして反省すべき。ただその後は森重選手と『しっかり耐えて守ろう』と声を掛け合っていた」(吉本)。そうした忍耐力が徐々にチーム全体のハードワークを助長させ、後半に入ると今度は球際でFC東京の選手が勝る局面が増えていった。65分の石川のゴール、78分の林のPKで一気に新潟をまくし立てたが、その陰には前に行く積極性とボールへの執着が存在した。特に途中交代で入ったベテラン・羽生が自らその姿勢を見せていき、チームにスイッチを入れていったことは見逃せない。
「後半、何人かの選手が球際で弱さを見せた」。新潟の柳下監督はチームの失速を嘆いた。明暗を分けたのは粘り強さ。最後に上回ったFC東京が今季公式戦初勝利を挙げ、新潟は未勝利のままとなった。(西川 結城)