指揮官の狙いとは裏腹に面白みに欠けた90分
直近のリーグ戦から先発メンバーを8人代えてきた湘南に対し、甲府も5人の選手を変更。勝利を目指すことが前提にありながらも、先発奪取を目指す選手たちのアピールの場であり、チームの底上げを図りたいという意図が両クラブからうかがえた。
しかし、試合内容はその狙いに伴わなかった。それは最終的なシュート本数が両チーム合わせて11本しかなかったことが物語っている。前半からお互いが相手のミスを待つ展開に終始したため、自分たちからのアクションが少なく、相手のエリアに人数をかけて攻め入るシーンはほとんどなかった。スタジアムが静かになり、選手たちの声が聞こえる時間帯があるなど、勝者と敗者は生まれたが、90分間をとおして面白みに欠けるゲームだった。
試合の印象が変わったのは58分に湘南が永木を投入してからだろう。主将が球際にどんどんと厳しく行くことで、チームもそれに後押しされるように前への圧力を掛けて行った。一方の甲府も盛田を投入して、前線へのロングフィードを起点にセカンドボール狙いに戦い方をシフト。徐々にゴール前までボールを運べるシーンが増えた。
勝敗を分けたのは一つのセットプレー。71分に永木のCKをニアに走り込んだ坪井がヘディングで合わせ、それが決勝点となった。「セットプレーの失点は非常に結果を左右する」と樋口監督。お互いに決め手を欠き、引き分けが妥当なゲームだったが、ワンチャンスを決め切った湘南が勝ち点3を手にした。(林 遼平)